Excessive love.
「…じゃあ、しばらくお世話になってもよろしいでしょうか? すぐに出て行けるようには致しますので」

「そんな事気にしなくて良いよ。いつから来る? 今日?」

「今日は流石に…、日曜日からお邪魔します。荷物をまとめたりしないといけないので」

「そうだよな、ちょっと早まった。日曜日、荷物持ってくるのは大変だろうから迎えに行こうか?」

「あ、あの…、甘やかしすぎです…」


 思わず口をついて出た言葉。私に兄はいないけれど、もしも面倒見のいい兄がいたら、こんな感じなのかなと想像してしまう。

 私の言葉に、朝倉さんは「あ…、ごめん」と顔を赤くして視線を泳がせた。

 仕事中の凛とした姿を知っている身としては、このあまりに無防備で可愛いギャップに、胸の奥が少しだけ騒がしくなる。

 この人のこんな姿を、一体どれだけの社員が知っているのだろうか。


「でも、大変な時はお互い様だから。俺も新田に救われている時もあるし」

「…じゃあ、日曜日荷物運び出すのお願いしてもよろしいですか?」

「もちろん。住所送っておいてくれる?」

「かしこまりました」


 そんなやり取りをして、その場は解散となった。

 怒涛のような急展開に、まだ心は追いついていないけれど、ようやく一日を乗り越え、新しい一歩を踏み出せる予感に、私は少しだけ、心からの安堵を感じていた。
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