Excessive love.
「どうかした?姫野と新田。」


横から声が聞こえてきてそちらの方向を見ると課長だった。姫野さんを見ると私を悪者にしようとする魂胆が分かっていた。


「いえ、姫野さんから取引先の共有があったので聞いていただけです。じゃ、予定あるかもしれないけれどお願いね。」

「…はい。」

「そっか、新田。この後ちょっと空いてる?」

「はい。」


呼ばれてオフィスを出る前に及川くんが口パクで『気にすんな』と言っていたのが見えて、課長を呼んでくれたのも彼だと気付いた。自分もそれどころじゃないでしょうに私のフォローをしてくれた彼に頷いて、後を着いて行った。

話は昼間の話だろうか、と少し構えてしまう。答えに関してはまだ何も決まっていない。

人の通りが少ない所まで来るとそこで向かい合う。


「ごめん。余計なお世話かと思っていたんだけど…。」

「いえ、ありがとうございます。」

「まあ、さっきの姫野とのこともだけど、昼間の事も。家事やってくれとか言われたら気が重くなるだろうなって反省してたんだ。」

「あ、いやいや!そこはむしろ家事して置いて頂けるのであればありがたいのですが…、ただ少なからず迷惑を掛けるのが申し訳が無くて」

「そんなの考えなくて良いよ。まずはシェアハウスくらいの気軽さで考えるのはどうかな?自分の家に鍵付きの部屋があるから、その部屋を新田に渡せるし…。」


ここまでご厚意を頂いて無碍には出来ない気持ちになってくる。鍵付きの部屋を貸してくれるとなると、自分の心配はほとんど解決される。
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