Excessive love.
Episode3
その日、午後からの外回りを終え、定時を少し過ぎてオフィスに戻った私を待っていたのは、予想だにしない事態だった。
「新田さん、ちょっといい?」
デスクに着く間もなく及川くんに呼び止められ、私は首を傾げた。彼の表情はいつになく険しく、静かな怒りを湛えているように見えた。
「どうしたの? 仕事の話?」
「プライベートな話だから、五分くらい外で時間貰える?」
有無を言わさないトーンに押され、人気のいない廊下まで連れ出される。普段の軽薄なノリや人懐っこい笑顔は完全に消えていた。
彼と六年付き合ってきて、こんな顔を見るのは初めてだった。
「まず、新田さんが悪くないと言うのは、大前提分かってるから気を悪くしないでほしいんだけど、それでももう優花を巻き込む様な事になるのはやめて」
「…どういうこと?」
「さっき加藤にも呼び出して言ったけど、加藤が優花に今新田さんがどうしてるのって話をしたらしくて、それに怒った優花が加藤と揉めてた。
これに関して新田さんが悪いとは思っていないけど、だけどもうきちんと加藤と話してさっさと蹴りをつけてくんない?」
頭を殴られたような衝撃だった。
優花と隆太が揉めていたことも、隆太がまだ私を気にして優花に接触していたこともすべてが初耳だった。
「俺の予想でしかないけど、姫野さんと加藤、もう上手くいってないと思うよ」
「どうしてそう思うの?」
「優花と新田さんが一緒に帰ってきて我が家に泊まった日、わざわざ事を荒立てたくないから優花には言わないでほしいんだけど、俺が呼び出されたの姫野さんだったし、仕事を理由に計画的に呼び出されたから」
優花が不安に思っていたことだ。あの日、及川くんが急に呼び出された違和感。その正体が姫野さんだったと、今さら知ることになるなんて。
だけど、彼女ならやりかねないなと、驚きよりも先にやっぱりという納得が胸に落ちた。
「新田さん、ちょっといい?」
デスクに着く間もなく及川くんに呼び止められ、私は首を傾げた。彼の表情はいつになく険しく、静かな怒りを湛えているように見えた。
「どうしたの? 仕事の話?」
「プライベートな話だから、五分くらい外で時間貰える?」
有無を言わさないトーンに押され、人気のいない廊下まで連れ出される。普段の軽薄なノリや人懐っこい笑顔は完全に消えていた。
彼と六年付き合ってきて、こんな顔を見るのは初めてだった。
「まず、新田さんが悪くないと言うのは、大前提分かってるから気を悪くしないでほしいんだけど、それでももう優花を巻き込む様な事になるのはやめて」
「…どういうこと?」
「さっき加藤にも呼び出して言ったけど、加藤が優花に今新田さんがどうしてるのって話をしたらしくて、それに怒った優花が加藤と揉めてた。
これに関して新田さんが悪いとは思っていないけど、だけどもうきちんと加藤と話してさっさと蹴りをつけてくんない?」
頭を殴られたような衝撃だった。
優花と隆太が揉めていたことも、隆太がまだ私を気にして優花に接触していたこともすべてが初耳だった。
「俺の予想でしかないけど、姫野さんと加藤、もう上手くいってないと思うよ」
「どうしてそう思うの?」
「優花と新田さんが一緒に帰ってきて我が家に泊まった日、わざわざ事を荒立てたくないから優花には言わないでほしいんだけど、俺が呼び出されたの姫野さんだったし、仕事を理由に計画的に呼び出されたから」
優花が不安に思っていたことだ。あの日、及川くんが急に呼び出された違和感。その正体が姫野さんだったと、今さら知ることになるなんて。
だけど、彼女ならやりかねないなと、驚きよりも先にやっぱりという納得が胸に落ちた。