Excessive love.
「何が言いたいかって…、名残惜しいなと思ったんだ。新田とのこの生活が終わってしまうのが」

「朝倉さん…」

「ずっとここに居てくれてもいいのになって思ってる。というか、居て欲しいなって」


 そう言って、私の方へ身体を向ける朝倉さんに、どう返せばいいか分からない。

 それは、どういう気持ちで言っているのか。まるで好意を持たれているんじゃないかって、勘違いをしてしまいそうになる。

 今まで散々、朝倉さんはただの同情心で私を守ってくれているだけだと言い聞かせてきた。なのに、ここに居て欲しいとか、新婚っぽいとか。

 こんな風に、飾らない言葉を真っ直ぐに向けてくれる人はいなかった。過去の男たちは、自分が楽をしたい時や、都合よく私を繋ぎ止めたい時だけ、私の為にはならない甘い言葉を吐いてきた。

 揺れる心を落ち着かせるように、私はわざと硬い声で問いかけた。


「朝倉さん…、それどういう意味で言っているんですか?」

「どういう意味って…」

「そう言う言葉は好きな異性に向けるものだって分かってます?」


 私が問い掛けると、朝倉さんは困ったように視線を彷徨わせ、首の後ろに手をやり「そう、だよな…」と、ぽつりと漏らした。

 私のことを好きじゃないなら、これ以上、中途半端に振り回してほしくはない。気持ちが完全にないなら、いっそこの場で突き放してほしいくらいだ。

 変な期待をして、また恋愛で傷付きたくないから。
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