Excessive love.
「…ずっと余裕をもっていたかったけど、そろそろ限界みたいだから。いい?」


そんな聞かれ方してだめなんて言えるはずがない。首を縦に振るだけで返事をした。

緊張しているのを悟られないように必死に平静を装っていると、ゆっくりと顔が近づいてきてそっと唇を重ね合わせる。

嫌じゃないか確かめてくれているのか、何度か触れ合うだけの口づけを交わすと「口開けて」と親指で唇を優しくなぞられた。

まだ恥じらいがあって、小さく遠慮気味に口を開けると、再度唇を重ね合わせてさほど隙間があいているわけでもないところを少し強引に舌が縫って入ってくる。

キスをしながらも手はバスローブのひもをゆっくりほどいていて、前がはだけて素肌が出ると唇から離れて、今度はゆっくりと首筋などに押し当てられていく。それだけでもゾクッと快感が走る。

その間手でも優しく腰に触れられたり、くすぐったいはずなのに、触れるのをやめてほしいわけではなくて、むしろもっと触れてほしいと思った。

丁寧にゆっくりと愛撫をされ溶かされた後に、ようやくそこでつながる準備をする。

この時には頭がくらくらするのはお酒のせいか、この行為のせいか、わからなかった。


「…大丈夫?」


私の頬を優しくなでて問いかけてくる直樹さんに首を縦に振って腕を広げる。


「早く、欲しいです。」

「俺も、同じ気持ちだよ。」


そう甘く言葉を囁いて、体を1つに重ね合わせる。

こんな幸せな夜は今日が初めてだった。
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