Excessive love.
「絶対に言いません!」

「え、何で。」

「なんでもです!そういうの聞かないでください!」


そう言ってワイングラスを掴むと喉奥に一気に流し込んだ。私の反応に直樹さんが楽しそうに笑っている。

こちらは笑い事じゃないのに。こんなに恥ずかしい思いをするなんてごめんだ。

顔を背けていると私の方に近寄ってきて、そのまま私の手を引っ張る。突然のことで足元がふらつくと受け止めてくれた。


「教えないと言い張られると聞きだしたくなるな。」

「絶対、教えませんから。絶対です!」

「意地になってるのも可愛い。でも俺も譲れないから。」


そういうと突然体を抱き上げられて、とっさに首に腕を回した。普段は紳士的だけど、意外とやり方が強引だと思う。

そのままベッドに運ばれるとふかふかのベッドに下ろされ、私を見下ろすようにして直樹さんが上に乗っかってくる。

そのままキスをされるでもなく、触れられるでもなく、見つめられるだけなのが、段々と羞恥心を掻き立てられた。


「…あ、あの?」

「まだ信じられなくて。好きだって気付いてから、何度こうやって抱きに行こうか考えてたか。」

「本当に勘弁してください…。」


糖分過多。これ以上は与えられすぎると甘さもやがて毒になる。

最初から離れられないようにされて困るのは、私だ。
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