天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「よく来てくれたわね、ユニコーン」

 私はユニコーンの鼻先をヨシヨシと撫でた。すると、ユニコーンは嬉しそうに顔をこすりつけてくる。

 盛大な勘違いをしたローレンス殿下は顔を真っ赤にし、エリカも恥ずかしげに俯いていた。

 このユニコーンは以前私が保護した関係で、私の頼みならなんでも聞いてくれるのだ。

「私が乗馬服を着てきたのは、この子に乗るためですわ」

 私が説明すると、老害たちが動揺する。

「ユニコーンに乗る? あの悪女が?」

「ユニコーンは清らかな乙女にしか懐かないはずでは?」

「だとしたら、ルピナ嬢がユニコーンに求められた乙女だと……?」

 ザワつく貴族たちに、私は微笑んだ。

「少なくとも、婚約者がいるのにもかかわらず、恋仲になろうとする人よりは清らか、でしょうね」

 私が鼻で笑うと、エリカはパッと目を逸らした。

 シンと会場が静まりかえる。
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