天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「シオンは戻ってきてくれるだろうか?」

「え?」

 オレの言葉に、エリカは信じられないといった顔で瞬きをした。

「あ、いや。シオンなら自分で逃げてこれるだろう? そうしないのは理由があるのではないかと思ってな」

「そんな! シオン先生だって私たちが助けにくるのを待ってると思います! ルピナ様のせいで逃げられないだけです!」

 エリカはなんの疑いも持たずに答える。自分がシオンにとって大切な人間だと信じ切っているのだ。

 オレにはそこまで自信が持てない。

(オレにはシオンが必要だが、シオンははたしてオレが必要なのだろうか?)

 そう考えると取り戻すのは難しいように思えた。
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