永遠の絆*

「パパー…」


不意に聞こえてきた子供の声に反応し、私は聞こえたほうに視線を向ける。

小さな女の子が笑顔で走ってパパの胸に飛び込んだ。


その光景を見て、さっきまでの笑みが一気に私の顔から消えた。

たまに見る夢と、今目の前で起っている現状が被る。


なんであんな夢をみてしまうのかもわからない。

寂しいから見てしまうとかでもない。

だからと言って、あの頃に戻りたいとも思わないし、父親に会いたいとも思わない。

ローンだけ置き去りにして行った父親が、今現われても私は父親とは認めないだろう。


私の家族はママしかいない。


「みぃちゃん?」


ボーっとしてた思考の中、翔の声で我に返り、素早く顔を上げる。


「どした?」

「ううん。なんでもない」


そう言って、私は曖昧に笑った。
< 260 / 594 >

この作品をシェア

pagetop