永遠の絆*
「…サキちゃん」


今からホテル街に入ろうとした時、男が軽く手を振りながら微笑む。

そんな男に“バッカみたい”と小さく呟く。

ほんと男なんてみんなクズすぎるでしょ。


簡単に誘えばついて来る。

ほんと、下らない。



“サキちゃん”


初めて会った時、ちゃんと名前を告げたつもりだけど男は初めの文字を聞いていなかったのか私の事を“サキ”と呼んできた。

まぁ、言い直すのも否定もするつもりはないから、私は今までその名前で通している。

むしろ、そのほうがある意味有難いし。

偽名の方が楽でいい。


深く息を吐き出し近くまで行くと「何処にする?」と呑気に言いながらホテルを見渡す。

何処にする?って、何処でもいいし…、


とりあえず早く終わらせて早く帰りたい。


「何処でも」


素っ気なく返して足を進めた時だった。


「…いたっ、」


私の身体が宙に浮くんじゃないかってくらいに誰かに勢い良く腕を引っ張られ、痛みが走った。


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