夜を繋いで君と行く
「そっか、疑われちゃったかぁ。」
「疑うよ!だって声が全然違ったから。」
「どう違った?」
「…北海道にいるときに電話した時の声は、…4度目の朝の声に似てたかも。私にこれ以上傷ついてほしくないって言った声とか、…私が連絡返せないでいたときのことを話してくれた時の声に近くて…だから、傷ついてるなって…。」
「すごい耳だね。」
「…だって、律は嬉しいときとそうじゃないときの声の差、結構大きいからわかりやすいよ。」
「はー…そっかぁ。そのくらい、全部隠せなくなっちゃってんだね。あーいや…隠したいわけじゃないんだけど。」
「…大丈夫。なんとなくわかるから。隠したいわけじゃなくて、本当は見て、知ってほしいって思ってるんだよね。…私も同じ。自信がなくて、幻滅されたくなくて綺麗な、大丈夫な自分でいたいのに、律の前だとボロが出ちゃう。…止めどなく泣いたこともあるし、言い淀んだことも…いっぱいある。でも、そういう『ダメで嫌いな自分』を、律は嫌いって言わなかった。」
怜花のまっすぐな声が、律の耳元で凛と響く。
「…好き。好きだよ。怜花にとって『怜花』は好きじゃなくても、俺は好き。それは…うん、変わらなかったね。」
「…律はそう言ってくれるんだよね。そうやって律が先に全部言うから、私はその言葉を全部持って、律に同じことを言えるようになるの。律のことを好きな私のことは、今は信頼してる。…隠したい自分じゃない自分も、今はいるよ。律には先にいっぱい我慢っていうか、強いままでいなきゃいけないような感じにしちゃってごめんね。だから律は、ずっと弱音を吐けなかったんだと思うから…。もうしばらくというか、当面は私に甘えっぱなしで丁度いいくらいなんだよ。私は甘えの前借りをしすぎているので。」
「…はは、そうなんだ。でも、俺も結構その甘えの前借りをがーっと食い尽くす勢いで、消費しちゃってない?」
「んー…そうでもないよ?まだまだ余ってます!」
「えぇ~怜花、そんなこと言ってると、俺が家に帰ったとき、後悔するよ?」
「なんで?」
無邪気な『なんで』の声に、律の口元は緩む。怜花の声は出会った当初よりも丸く聞こえるようになった。最初はもっときりっとしたどこか冷たさと寂しさが滲む声だったのに、今はそんな雰囲気は感じられない。
「ハグとちゅーだけじゃ済まなくなって、夜のいちゃいちゃ延長戦になっちゃうかもだよ?」
「へっ…!?」
「だって帰ったら全部頑張ったご褒美にハグとちゅーはいっぱいがいいって言ってたじゃん?でさ、そんなことずっとしてたら絶対もっとがいい、離したくないってなる気しかしないし。」
「…あの、食べたいものを用意するとかじゃなくて?」
「怜花のご飯も食べたいけど、一番はくっついてたいし、疲れてるから触れてたい。…体温、戻したい。」
「…う、わ、わかった…。あ、違う!その、延長戦がいいとかそういうことじゃなくて、でも帰ってきたら律のしたいことするってのはわかった。…だからあとちょっとだけ、踏みとどまってね。元気じゃなくてもいいから、帰ってはきてね。」
「…うん。ちゃんと帰る。」
「疑うよ!だって声が全然違ったから。」
「どう違った?」
「…北海道にいるときに電話した時の声は、…4度目の朝の声に似てたかも。私にこれ以上傷ついてほしくないって言った声とか、…私が連絡返せないでいたときのことを話してくれた時の声に近くて…だから、傷ついてるなって…。」
「すごい耳だね。」
「…だって、律は嬉しいときとそうじゃないときの声の差、結構大きいからわかりやすいよ。」
「はー…そっかぁ。そのくらい、全部隠せなくなっちゃってんだね。あーいや…隠したいわけじゃないんだけど。」
「…大丈夫。なんとなくわかるから。隠したいわけじゃなくて、本当は見て、知ってほしいって思ってるんだよね。…私も同じ。自信がなくて、幻滅されたくなくて綺麗な、大丈夫な自分でいたいのに、律の前だとボロが出ちゃう。…止めどなく泣いたこともあるし、言い淀んだことも…いっぱいある。でも、そういう『ダメで嫌いな自分』を、律は嫌いって言わなかった。」
怜花のまっすぐな声が、律の耳元で凛と響く。
「…好き。好きだよ。怜花にとって『怜花』は好きじゃなくても、俺は好き。それは…うん、変わらなかったね。」
「…律はそう言ってくれるんだよね。そうやって律が先に全部言うから、私はその言葉を全部持って、律に同じことを言えるようになるの。律のことを好きな私のことは、今は信頼してる。…隠したい自分じゃない自分も、今はいるよ。律には先にいっぱい我慢っていうか、強いままでいなきゃいけないような感じにしちゃってごめんね。だから律は、ずっと弱音を吐けなかったんだと思うから…。もうしばらくというか、当面は私に甘えっぱなしで丁度いいくらいなんだよ。私は甘えの前借りをしすぎているので。」
「…はは、そうなんだ。でも、俺も結構その甘えの前借りをがーっと食い尽くす勢いで、消費しちゃってない?」
「んー…そうでもないよ?まだまだ余ってます!」
「えぇ~怜花、そんなこと言ってると、俺が家に帰ったとき、後悔するよ?」
「なんで?」
無邪気な『なんで』の声に、律の口元は緩む。怜花の声は出会った当初よりも丸く聞こえるようになった。最初はもっときりっとしたどこか冷たさと寂しさが滲む声だったのに、今はそんな雰囲気は感じられない。
「ハグとちゅーだけじゃ済まなくなって、夜のいちゃいちゃ延長戦になっちゃうかもだよ?」
「へっ…!?」
「だって帰ったら全部頑張ったご褒美にハグとちゅーはいっぱいがいいって言ってたじゃん?でさ、そんなことずっとしてたら絶対もっとがいい、離したくないってなる気しかしないし。」
「…あの、食べたいものを用意するとかじゃなくて?」
「怜花のご飯も食べたいけど、一番はくっついてたいし、疲れてるから触れてたい。…体温、戻したい。」
「…う、わ、わかった…。あ、違う!その、延長戦がいいとかそういうことじゃなくて、でも帰ってきたら律のしたいことするってのはわかった。…だからあとちょっとだけ、踏みとどまってね。元気じゃなくてもいいから、帰ってはきてね。」
「…うん。ちゃんと帰る。」