黒ねこプリンセス✡マジカルショータイム!
 黒ねこプリンセスはだいだい、ミッドナイト✡ハロウィーンで、とくべつな魔法をひろうしなければなりません。
 それは、夜の魔法『ジャック・オー・ランタン・ショータイム』。
 ハロウィーンのカボチャでおなじみの、ジャック・オー・ランタンを三体召喚し、さまざまなショーをして、国民をたのしませるという魔法です。
 それなのに……
「え〜い! もういちど!」
 ヨルルは、おさかなグミをにぎりしめ、夜の魔法のじゅもんをとなえます。
「夜空のキラキラ わたしのカボチャにあつまって! 夜の魔法『ジャック・オー・ランタン・ショータイム』!」

 ☆ いっしょにじゅもんをとなえよう ☆
 夜の魔法は、しずかにじゅもんをとなえるの。
 月の光をあびながら、心をしずめて。
 かおりのつよい白い花をかざりながらとなえると、こうかは、ばいぞうだよ♡

 ヨルルのじゅんもんで、ニンマリとしたえがおの、オレンジ色のジャック・オー・ランタンが三体、召喚されました。
 しかし、やっぱりうまくいきません。 
「あ〜こら! かってにどこかへ行っちゃっダメ! ちょっとちょっと、ねちゃだめだよ〜!」
 ジャック・オー・ランタンたちは、ヨルルのいうことをまったくきいてくれません。
「まずいよ~! ほんとうに、どうしよう!」
 ヨルルが、やねのうえで、じたばたと足をゆらしているうちに、ジャック・オー・ランタンたちはさっさと、どこかへ行ってしまいました。
 ヨルルは、しょんぼりとおちこみます。
「もっともっと、れんしゅうしなきゃいけないのかな。でも、わたし、ぜんりょくでやってるのに……。やっぱり、『黒ねこプリンセスなのに、ジャック・オー・ランタンづくりがへたっぴ』だからなのかな!?」
 あしたのミッドナイト✡ハロウィーンにむけて、すでにおしろにかざられている、ジャック・オー・ランタン。
 これらは、ぜーんぶ、ヨルルのてづくり!
 でも、ちょっといびつで、こせいてきなかおをしています……。
 目のかたちが右と左でちがったり、口が大きすぎたり。
 ミッドナイト✡ハロウィーンで、おしろにかざるジャック・オー・ランタンは、れきだいの黒ねこプリンセスの手づくりでないといけないといわれています。
 でも、ヨルルはこれまでの黒ねこプリンセスよりも、ちょっぴりへたっぴ。
 だから、ジャック・オー・ランタンの召喚がうまくいかないのかもしれないと、おとうさまにいわれていました。
 おとうさまも、おかあさまも、なぐさめてくれたし、できなくてもだいじょうぶ、っていってくれた。
 けれど、たくさんがんばっているんだから、あきらめたくない。
「……ジャック・オー・ランタン作りを、今夜中にかんぺきにすれば……もしかしたら、夜の魔法がせいこうするかもしれない! ニャー! やるぞ!」
 しっぽをふりふりさせて、ねこの手のこぶしを月にむかってつきだしました。
 夜空をみあげると、三日月がニヤリとわらっていました。
 ヨルルがジャック・オー・ランタン作りをがんばることを、おうえんしているようでした。

 ☆ おしろめいろ ☆
 たいへん!
 さっきにげだした、三体のジャック・オー・ランタンが、おしろでいたずらをしているみたい!
 ヨルルといっしょに、三体のジャック・オー・ランタンを、いっしょにつかまえよう!
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