沈丁花奇譚
 おそらく時刻は深夜1時…。私と彼とのわずかな顔と顔の距離の間に、妖しげな沈黙がしばらく流れた。
 互いの目線はぎこちなく交わされ、甘い呪縛に心地よく委ねられていく。
 墨と藍を流し込んだようなぬばたまの夜空、その空を彩るあまたの星屑達、とろみある乳白色のまばゆい灯りを解き放つ満月…。
 いつの間にか私は、やおら彼に抱き寄せられながらすらりと伸びたしなやかで長い指に髪を優しくとかされていた。
 ゾワリと心地よく走る、背中への泡立つ快感て私は身も心も鍵を開けた。
 二人にはもう身も心もさえぎるものはない。そこから先は互いに溶け合うように重なっていった。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

G戦場のマリア達
氷華流/著

総文字数/0

ミステリー・サスペンス0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 15歳双子の姉・篠原真理亜と妹・篠原由理亜はある日、両親の喧嘩の流れで住んでいたマンション7階から父親の手によって突き落とされた。  それが原因で二人の心に深い傷を負い、男性不信となってしまう。  月日は流れ、母親は父親の逮捕を機に離婚し、二人は都内のアパートを借りて同居生活を始める。  トラウマに苛まれながらも前に進もうとする二人、やがて思いがけぬ道へと…。  人間ほど恐ろしいものはない。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop