推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「……紗南、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ!」
声をかけられてハッとしたわたしは、あわてて悠月から離れた。
――まだ心臓がバクバクいってる。
だって悠月のあんな顔、見たことないんだもん。
すごく優しい顔で、笑ってた。
わたしを見つめるまなざしから、声から、わたしのことが好きだって伝わってくるような気がして。
……って、そんなことあるわけないよね!?
多分だけど、悠月は幼なじみっていう視点からじゃなくて、悠月自身をちゃんと見ててって言いたかったんだと思う。
うん、きっとそうだ!
「で、でも、悠月がmeteor(メテオ)の新メンバーになるんだもんね! 本当にすごいことだよ! 頑張ってね!」
ドキドキしてしまったことが伝わったら恥ずかしいから、目線は前にまっすぐ向けながら、いつもより明るい声を意識して話す。
だけど悠月から返ってきた言葉に、わたしは照れていたことも忘れて、きょとんとしてしまった。