推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「……紗南、大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ!」


声をかけられてハッとしたわたしは、あわてて悠月から離れた。


――まだ心臓がバクバクいってる。
だって悠月のあんな顔、見たことないんだもん。

すごく優しい顔で、笑ってた。
わたしを見つめるまなざしから、声から、わたしのことが好きだって伝わってくるような気がして。

……って、そんなことあるわけないよね!?
多分だけど、悠月は幼なじみっていう視点からじゃなくて、悠月自身をちゃんと見ててって言いたかったんだと思う。
うん、きっとそうだ!


「で、でも、悠月がmeteor(メテオ)の新メンバーになるんだもんね! 本当にすごいことだよ! 頑張ってね!」


ドキドキしてしまったことが伝わったら恥ずかしいから、目線は前にまっすぐ向けながら、いつもより明るい声を意識して話す。
だけど悠月から返ってきた言葉に、わたしは照れていたことも忘れて、きょとんとしてしまった。

< 38 / 109 >

この作品をシェア

pagetop