推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「何言ってんの? おれ、新メンバーになんてならないけど」
「え? ……ちょっと待って、どういうこと!?」
だって今朝、ステージに立って踊って、星穏さんに「合格」って言われてた、よね?
もしかしてあの後、わたしがいないところで星穏さんたちと話して、新メンバー加入の話はなかったことになったのかな?
困惑していれば、前方から複数の足音が聞こえてきた。
「お、いたいた! 鳴宮悠月くん! 探したんやで」
爽やかに笑いながらこちらに歩いてきたのは、今まさに話題にあげていた、meteor(メテオ)のメンバーで。
――って、どうして三人がここにいるの……!?
驚いていたけど、遠目からでも気づいてしまった。
星穏さんの肩に、今朝見たのとは違う悪鬼が、また憑いていることに。
「アイツ、めちゃくちゃ憑かれやすい体質してんじゃねーの?」
悠月がボソリとつぶやいた。
――うん、悠月の言う通りかもしれない。
こんなに短時間で憑かれちゃう人は、あんまり見たことないもん。
わたしがまた心の中でコンブにお願いしたら、コンブは「やれやれ」って言いながらも、星穏さんの肩にぶら下がっていた悪鬼を祓ってくれた。
ありがとう、コンブ。
家に帰ったら、お礼に美味しい昆布をたくさんあげるからね……!