推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「悠月くんが、アイドルに興味ないんは分かったんやけどな? それじゃあ悠月くんは、誰のために歌おうと思う?」

「……誰のために?」

「そうや。ステージでパフォーマンスを披露する時、その姿を誰に見てほしいと思う?」


星穏さんからの質問で、悠月の目が、わたしに向けられた。


「おれは……紗南に、見ていてほしい」


真っ直ぐな目で見つめられて、ドキッとしちゃった。

悠月ってば、最近なんか変じゃない?
つい最近までは、もっとそっけない感じだったのに……急にどうしたんだろう。


「せやな。でも、アイドルとしてステージに立つってことは、紗南ちゃんだけやなくて、他のファンの子たちにも同じように、アイドルとしての姿を見せなくちゃならん。それは理解できるよな?」

「……まぁ」

「なら、大丈夫や。おれな、悠月くんはいいアイドルになれると思うんよ。おれの勘はよう当たるからな!」


星穏さんは、悠月の頭をポンッとなでた。
そして太陽みたいにまぶしい笑みを浮かべる。

星穏さんの笑顔を真正面から見た悠月はきょとんとしていたけど、すぐにフイッと視線をそらした。

< 54 / 109 >

この作品をシェア

pagetop