推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
第一話 依頼人は学園の先生
「紗南、たのむ。この任務は、おまえが適任なんだ」
目の前でわたしを説得しようとしているのは、お父さんだ。
そのとなりにいる丸眼鏡をかけた男の人は、困り顔でわたしを見つめている。
「えぇ、急にそんなこと言われても……」
家に帰って、ゲームの前に勉強をしようと思っていたら、待ちかまえていたお父さんに「大事な話がある」って呼びとめられちゃったんだ。
客間に行けば、そこには見知らぬ男の人がいた。
この人は、『私立 鶯花咲学園』の先生なんだって。
この時点で、話の内容については、何となく分かってたんだ。
きっと、いつもの“依頼”なんだろうなって。
――実はわたしの家って、“陰陽師”の末裔なんだよね。
陰陽師っていうのは、何百年も前、ずーっと大昔から存在していたの。
人々に害をもたらす悪い妖怪をやっつけたり、その他にも天気を予報したり、占いをしたり……そんな風にして、陰ながら人々の平安を守っていたんだ。
小戸森家は、そんな陰陽師の血を受け継いでいるの。