推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~

第一話 依頼人は学園の先生



「紗南、たのむ。この任務は、おまえが適任なんだ」


目の前でわたしを説得しようとしているのは、お父さんだ。
そのとなりにいる丸眼鏡をかけた男の人は、困り顔でわたしを見つめている。


「えぇ、急にそんなこと言われても……」


家に帰って、ゲームの前に勉強をしようと思っていたら、待ちかまえていたお父さんに「大事な話がある」って呼びとめられちゃったんだ。

客間に行けば、そこには見知らぬ男の人がいた。
この人は、『私立 鶯花咲(うぐいすはなさか)学園』の先生なんだって。

この時点で、話の内容については、何となく分かってたんだ。
きっと、いつもの“依頼”なんだろうなって。


――実はわたしの家って、“陰陽師”の末裔なんだよね。

陰陽師っていうのは、何百年も前、ずーっと大昔から存在していたの。
人々に害をもたらす悪い妖怪をやっつけたり、その他にも天気を予報したり、占いをしたり……そんな風にして、陰ながら人々の平安を守っていたんだ。

小戸森家は、そんな陰陽師の血を受け継いでいるの。

< 7 / 109 >

この作品をシェア

pagetop