バレリーナ*ララ
5、きっと大丈夫
ララが目をさすと、なぜか自分の部屋のベッドの上にいました。

カーテンからはたいようの光がはいってきていて、どうやら朝のようです。

「…あれ?モコ?」

ララは、まくらもとにおいていたモコに目をむけます。

しかし、モコははなすこともうごくこともしません。

ただのぬいぐるみになっていたのです。

モコととびこんだ鏡をさわってみても、とてもとおりぬけられません。

「もしかして…、夢?」

かなしくなったララはなみだがでそうになりました。

だけどそのとき、パジャマのポケットがふくらんでいることに気がつきました。

そして、そっと手を入れてとりだしてみると――。

なんとそれは、はくちょうたちからもらったつばさのかたちをしたティアラだったのです。

「やっぱり、夢じゃなかったんだ…!」

うれしくなったララはまくらもとにいたモコをだきよせました。

「夢じゃないのなら、モコもまほうのことばでまた目ざめるはず」


【モコをめざめさせるために、はじめにとなえたおばあちゃんからおしえてもらったまほうのことばをもういちど言ってみよう!おぼえているかな?】


ララはまほうのことばとなえます。

すると、モコの耳がぴくっとうごきました。

「ララ、ありがとう。またぼくをよんでくれたんだね」

「よかった!モコはわたしのたいせつなともだちなんだから、あたりまえだよ」

ララとモコは顔を見あわせてにこりとほほえみました。

そして、今日はバレエの発表会の日。

「ララ、がんばってね」

「うん!」

リュックに入れていっしょにつれてきたモコにララはこくんとうなずきます。

「これをつければ、きっと大丈夫!」

モコは、ララの髪にはくちょうたちからもらったつばさのかたちのティアラをつけました。


【ぬりえ:ララのいしょうをかわいくぬってあげよう】


そして、森の動物たちに見まもられながら、はくちょうたちとおどったことをおもいだします。

「モコ、いってくるね」

ララはモコに向かって手をふると、ぶたいの上に立ちました。

おもったとおり、まったくきんちょうしませんでした。

ララはしっぱいすることなくおどり、お客さんからははくしゅがわきおこりました。

「ララ、すごくじょうずだったよ!」

「ありがとう!モコがひみつのぶたいにつれていってくれたおかげだよ」

ぶたいからもどったララは、モコをだきしめました。

「鏡の中のせかいは、ずっと広いんだよ。だから、もっとたくさんの人にララのおどりを見てもらおうよ」

「わたし、また行ってもいいの?」

「もちろんさ!」

「じゃあ、そのためにわたしもっとバレエをがんばるね!」

さて、次にララがおどるぶたいはどんなせかいなのでしょうか。

ララはワクワクがとまりません。




Fin.
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜

総文字数/52,937

恋愛(純愛)104ページ

マカロン文庫新人コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
――わたしは人生に諦めていた。 父からは見捨てられ、 母からは利用され。 そんなわたしのすべてを受け入れ、 手を差し伸べてくれた恋人さえも わたしは自らその手を離した。 虐げられた令和のシンデレラ 小坂 澪 (Mio Kosaka) × 元恋人、名取グループの御曹司 名取 結弦 (Yuzuru Natori) しかし、8年ぶりに恋人だったその彼と再会。 「あのとき別れたことを今でもずっと後悔していた。 …今夜は帰したくない」 想いを押さえきれない彼は、 熱を帯びた瞳でわたしに迫ってきて――。 文武不相応なわたしは 結ばれるべきではないと頭ではわかっているけれど…。 この溺愛、運命的で抗えない。 こちらの作品は、 短編『このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜』を コンテスト用に加筆修正し、長編化したものになります。
表紙を見る 表紙を閉じる
――わたしは人生に諦めていた。 父親からは見捨てられ、 母親からは利用され。 そんなわたしのすべてを受け入れ、 手を差し伸べてくれた恋人さえも わたしは自らその手を離した。 虐げられた令和のシンデレラ 小坂 澪 (Mio Kosaka) × 元恋人、名取グループの御曹司 名取 結弦 (Yuzuru Natori) しかし、7年ぶりに恋人だったその彼と再会。 「あのとき別れたことを今でもずっと後悔していた。 …今夜はもう逃さない」 想いを押さえきれない彼は 熱を帯びた瞳でわたしに迫ってきて。 彼に抱かれるときだけは、唯一の幸せを感じた。 だから、人生に諦めてしまっていたのに …願ってしまった。 このままずっと甘い夜が続けばいいのにと――。 《執筆期間》 2024.03.31 〜 2024.04.12 この作品を長編化したものが、 『傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜』 というタイトルで公開中です。 ぜひこちらもお読みください⋈˖°
屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜

総文字数/31,887

恋愛(純愛)88ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
わたしは、両親の跡を継いで 弁当屋『キッチンひだまり』を営んでいる。 商店街の中にある昔ながらの小さな弁当屋で、 これまで地元の人々に愛されてきた。 ――しかし、 キッチンひだまりとこの商店街に危機が訪れる。 なんと、この辺り一帯を取り壊し、 大型ショッピングモールの建設が計画されていた。 生まれ育った商店街を守るべく 立ち退きに反対するわたしの前に現れたのは、 ショッピングモール建設の計画を進める 大元の大企業の副社長で――。 ショッピングモール建設反対に奮闘する弁当屋 藤崎 心晴 (Koharu Fujisaki) × 『株式会社アーバンオアシス』副社長 阿久津 恭平 (Kyouhei Akutsu) 阿久津さんは 美風商店街を潰そうとするわたしたちの憎き敵…! ――そう思っていたのに。 「もしかして、敵である俺に惚れたとか?」 「抵抗しなくていいのか?憎い男に抱かれてるけど」 拒めば拒むほど、 阿久津さんという沼に溺れていき――。 「あ…阿久津さん、もうやめてっ…」 「“恭平”って呼べたら許してやるよ」 わたしは阿久津さんのことが大っ嫌いで、 阿久津さんもこんなわたしのことなんて嫌いなはずなのに――。 屈辱なほどに、 この気持ちに抗えない。 《執筆期間》 2024.06.22 〜 2024.06.29 『第2回ベリーズ文庫デビュー応援コンテスト』にて、 【大賞】を受賞しました! 読んでくださった読者のみなさま ありがとうございます⋈˖° ‎◯● 書籍化決定‎ ●◯ ベリーズ文庫より、 アンソロ短編集として文庫化 ▷▷2024.11.10発売 書籍は加筆・修正を加え、 より読みやすくなっています。 書籍化に伴い、タイトル一部変更しています。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop