もしも、あっちの部活を選んだら?
二度目の選択、テニス部!
テニス部って忙しい
あっという間に入学して一ヶ月が経った。
ゴールデンウィークの間もテニス部は部活漬けの毎日。
体育館やグラウンドを使う部活と違ってコートの取り合いがないから、テニスは部活し放題なんだよね。
「おはよう、真澄。すっかり日焼けしてるね」
ゴールデンウィーク明け、美優と教室で久しぶりに会うとびっくりしたように目を大きくしていた。
陽射しをなめていた私はおかげで日焼けで焦げ焦げ。
これ、テニス部一年の毎年のあるあるらしい。
「もう、毎日太陽強すぎ。まいっちゃうよ」
「部活、楽しそうだね」
部活は大変だけど、テニスをするのは結構楽しい。
まだ先輩たちみたいに上手くはできないけど、小学校の時に習ってた分、未経験の一年生に比べたら上手いって褒められるしさ。
「おっはよー」
コウが元気な声で挨拶をしながら教室に入ってきた。
私と同じでコウもすっかり日焼けしている。
「伊崎、めっちゃ日焼けしてるじゃん」
「ハワイでも行ってきたのか」
クラスメートの男子たちがコウの周りでギャハハと笑っている。
小学校の時からそう。コウはいつでもみんなの輪の中心だ。
パッと見、私とコウって全然タイプが違う。
もし小学一年生の時にクラスが一緒じゃなかったら。
その後、一度でもクラスが離れていたら。
私とコウって腐れ縁になってなかったかもな。
「あれ、伊崎と竹口だけ日焼けしてね?」
コウの周りにいた男子の一人がポツンと言ったのが聞こえた。
ちょっと変なこと言わないでよ!
「なんだお前ら、二人でデートでも行ったのか?」
それに食いついた別な男子がまた茶々を入れる。
うっすらと女子からの冷たい視線を感じる。
このクラスにテニス部は私とコウしかいない。
だから私とコウの日焼けがやけに目立ってしまう。
これ変な誤解をされちゃうかもなんですけど。
「まさか。んなわけねーだろ」
コウは笑って周りの男子の意見を一蹴した。
「お前らと違ってテニス部は部活が大変なんだよ」
「おいおい、バスケ部だってハードだぞ」
男子たちはまたすぐに別の話題で盛り上がる。
女子からの視線が静かに離れていくのがうっすらとわかる。
「ふー、危なかった」
誰にも聞こえない声量で一呼吸つく。
コウの人気はクラスの男子だけじゃない。女子からも人気だ。
そんなコウと私が仲がいいことを不思議に思う人も多いらしい。
中には付き合っているんじゃないかと疑う人もいるみたい。
「伊崎君と真澄、仲がいいもんね」
「もう、美優まで変なこと言わないでよ」
余計な誤解はマジで勘弁。
「私とコウはただの腐れ縁なだけだっつーの」
「でもすごいよね。小一の時からクラスが一緒で、部活まで一緒なんて」
「まあ、クラスも部活もただの偶然だけど」
「そういうの運命みたいで羨ましいな」
「運命?」
美優の声が一段と甘く聞こえた。
「ごめん、急に変なこと言って。私、小学校の時は転校が多かったからさ。ずっとクラスが同じ人とかいなくて」
美優がそう照れくさそうに笑うと、担任の笹波先生が教室に入ってきた。
まだ五月なのに、太陽の光は眩しくて気温もどんどん高くなっていく。
さっきの美優、顔が少し赤かったな。
それに運命みたいと言った美優の目はまるで小さな宝石みたいに輝いて見えた。
ゴールデンウィークの間もテニス部は部活漬けの毎日。
体育館やグラウンドを使う部活と違ってコートの取り合いがないから、テニスは部活し放題なんだよね。
「おはよう、真澄。すっかり日焼けしてるね」
ゴールデンウィーク明け、美優と教室で久しぶりに会うとびっくりしたように目を大きくしていた。
陽射しをなめていた私はおかげで日焼けで焦げ焦げ。
これ、テニス部一年の毎年のあるあるらしい。
「もう、毎日太陽強すぎ。まいっちゃうよ」
「部活、楽しそうだね」
部活は大変だけど、テニスをするのは結構楽しい。
まだ先輩たちみたいに上手くはできないけど、小学校の時に習ってた分、未経験の一年生に比べたら上手いって褒められるしさ。
「おっはよー」
コウが元気な声で挨拶をしながら教室に入ってきた。
私と同じでコウもすっかり日焼けしている。
「伊崎、めっちゃ日焼けしてるじゃん」
「ハワイでも行ってきたのか」
クラスメートの男子たちがコウの周りでギャハハと笑っている。
小学校の時からそう。コウはいつでもみんなの輪の中心だ。
パッと見、私とコウって全然タイプが違う。
もし小学一年生の時にクラスが一緒じゃなかったら。
その後、一度でもクラスが離れていたら。
私とコウって腐れ縁になってなかったかもな。
「あれ、伊崎と竹口だけ日焼けしてね?」
コウの周りにいた男子の一人がポツンと言ったのが聞こえた。
ちょっと変なこと言わないでよ!
「なんだお前ら、二人でデートでも行ったのか?」
それに食いついた別な男子がまた茶々を入れる。
うっすらと女子からの冷たい視線を感じる。
このクラスにテニス部は私とコウしかいない。
だから私とコウの日焼けがやけに目立ってしまう。
これ変な誤解をされちゃうかもなんですけど。
「まさか。んなわけねーだろ」
コウは笑って周りの男子の意見を一蹴した。
「お前らと違ってテニス部は部活が大変なんだよ」
「おいおい、バスケ部だってハードだぞ」
男子たちはまたすぐに別の話題で盛り上がる。
女子からの視線が静かに離れていくのがうっすらとわかる。
「ふー、危なかった」
誰にも聞こえない声量で一呼吸つく。
コウの人気はクラスの男子だけじゃない。女子からも人気だ。
そんなコウと私が仲がいいことを不思議に思う人も多いらしい。
中には付き合っているんじゃないかと疑う人もいるみたい。
「伊崎君と真澄、仲がいいもんね」
「もう、美優まで変なこと言わないでよ」
余計な誤解はマジで勘弁。
「私とコウはただの腐れ縁なだけだっつーの」
「でもすごいよね。小一の時からクラスが一緒で、部活まで一緒なんて」
「まあ、クラスも部活もただの偶然だけど」
「そういうの運命みたいで羨ましいな」
「運命?」
美優の声が一段と甘く聞こえた。
「ごめん、急に変なこと言って。私、小学校の時は転校が多かったからさ。ずっとクラスが同じ人とかいなくて」
美優がそう照れくさそうに笑うと、担任の笹波先生が教室に入ってきた。
まだ五月なのに、太陽の光は眩しくて気温もどんどん高くなっていく。
さっきの美優、顔が少し赤かったな。
それに運命みたいと言った美優の目はまるで小さな宝石みたいに輝いて見えた。