壁の中の彼氏
 怪しいとわかりながらも、バイトを開始したのは俺だった。
 荷物の中身は見ないこと。
 それが絶対条件だった。
 これを破ればその場でクビを言い渡されるらしい。
 そんな説明をされると余計に中身が気になったけれど、俺はグッと我慢してバイトを続けた。
「うわ、重たいな」
 時に荷物は信じられないほど重さがあった。
 一体ダンボールの中に何が入れられているのか、気にはなったが開くことはなかった。
 今回だって、故意に蓋を開けるつもりなんてなかった。
 その段ボール箱が思った以上に重たくて、力が緩んでしまったのが原因だった。
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