壁の中の彼氏
 血しぶきが上がらないようにするためか、ナイフは俺の首に突き刺さったままだった。
 男たちはなにかを話していたけれど、すでに意識が朦朧としていて俺には理解できなかった。
 ただ、だんだん体が冷たくなっていくのを感じてた。
 そうしてたどり着いたのは俺がいつも働いていた倉庫だった。
 倉庫内には明日出荷分の荷物がすでに準備されている。
 その中にもきっと、臓器が入っていたんだろう。
 男たちは長テーブルの上に俺の体を運ぶと、すぐに洋服を切り裂き始めた。
 それは手術する時の光景と似ていて、咄嗟にネタ帳にメモしようと思ったけれど、手足はもう動かなかった。
< 179 / 189 >

この作品をシェア

pagetop