壁の中の彼氏
「最初から自信がある子なんていないって。アミだってまだ入賞はしてないんだし。なにか言われたとしてもそれほど気にしなくていいよ?」
 友惠がなぐさめてくれたお陰で少しだけ気が楽になった。
 気がつけば図書室はすぐ目の前だ。
 放課後に図書室を利用する生徒は結構多くて、静かに移動する。
 みんな好きな本を読んでいたり、テキストを広げて熱心に勉強していたりする。
 教室内の喧騒とはかけ離れた静けさの中を歩いて部室に到着した。
 すでにアミと優子、そして顧問の先生は来ていた。
「持ってきた?」
 部室に入るやいなやアミにそう言われて慌てふためく。
「も、持ってきたけど、面白くはないかも」
< 31 / 60 >

この作品をシェア

pagetop