【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「いやぁ。あの団長さん、目立つでしょ? 僕と同じように顔もいいしさ。その団長が発情の呪いにかけられたから、解呪のために魔法師の女性を一人囲っていますなんて言えないでしょ? だったら、団長さんとリネットは恋人同士で、一緒に暮らし始めたっていうほうが説得力もあるし、団長さんの体面も保てるわけだ」
エドガーの言うこともわかるし、ラウルの呪いを公にするつもりもない。
だからって、何もリネットとラウルが恋人同士という設定にするのはいかがなものか。それを抗議すれば。
「だってさ。昨日、団長さんがリネットのことをお持ち帰りしているところをいろんな人に見られていたんだよ。だからって一夜限りの関係でもなく、君は彼の部屋で寝泊まりしているんだろう? 今朝だって濃厚なキスをしてきたんじゃないの?」
「そうなんです。あの団長さん。キスが無駄にしつこくて長いんです。おはようのキスは、唇と唇を合わせればいいはずなのに……」
その事実を再確認するためにも、リネットは帳面をパラパラとめくる。「毎日、おはようのキスをしないと発情する呪い」は、キサレータ帝国の図書館で見つけた呪い事典に記載されていた。それを転記した帳面なのだが。
「う~ん。『おはようと言い、唇と唇を合わせるキスをする必要がある』ってしか書いていない」
「つまり、それがどの程度のキスであるかは、わかっていないわけだ」
エドガーの言うこともわかるし、ラウルの呪いを公にするつもりもない。
だからって、何もリネットとラウルが恋人同士という設定にするのはいかがなものか。それを抗議すれば。
「だってさ。昨日、団長さんがリネットのことをお持ち帰りしているところをいろんな人に見られていたんだよ。だからって一夜限りの関係でもなく、君は彼の部屋で寝泊まりしているんだろう? 今朝だって濃厚なキスをしてきたんじゃないの?」
「そうなんです。あの団長さん。キスが無駄にしつこくて長いんです。おはようのキスは、唇と唇を合わせればいいはずなのに……」
その事実を再確認するためにも、リネットは帳面をパラパラとめくる。「毎日、おはようのキスをしないと発情する呪い」は、キサレータ帝国の図書館で見つけた呪い事典に記載されていた。それを転記した帳面なのだが。
「う~ん。『おはようと言い、唇と唇を合わせるキスをする必要がある』ってしか書いていない」
「つまり、それがどの程度のキスであるかは、わかっていないわけだ」