【シナリオ版】恋した先輩には病みがある!?
♡第2話♡
〇デート当日。駅前で斗愛を待ちながらデートに誘った日を回想

恋桃の格好→ 薄手の桜色のシャツに黒のミニスカート。靴は厚底。


〜〜回想〜〜 2~4ページでざっくりまとめる

恋桃『ということで先輩、恋桃とデートに行きませんか?』
斗愛『えっ・・・?』

斗愛『ほとんど毎日会ってるのに?』
恋桃『先輩の私服が見たいんです!!』

はすはすと恋桃が興奮気味に詰め寄るとその分距離を取られる斗愛。恋桃は気にしない。恋桃の可愛い顔が近づいてきたのでびっくりしただけだと思っているから。

斗愛『わかった。デートしてあげる』←観念したように
恋桃『いいんですか!?』
斗愛『うん』

斗愛『ところで、デートって言ってもどこ行くの?』
恋桃『はいっ?』←そのまで考えてなかった人
斗愛『言い出したのは桃ちゃんだから好きに決めていいよ』
恋桃『うぅ、ええっと』←焦る

恋桃(こういうのって普通どこに行くものなんでしょうか!?デート初心者の恋桃にはハードル高すぎませんか!?)

恋桃『え、映画!映画観に行きましょう!』
斗愛『なにか観たいのあるの?』

恋桃、言葉につまる。

斗愛『冗談だよ。特に観たいのないんだったら当日良さそうなもの観るのとかはどう?』←コロコロ表情が変わる恋桃をからかうように
恋桃『あ!いいですね!そうしましょう!』

〜〜〜〜

恋桃(あー思い出しただけでもニヤけてしまいます!あれから張り切って準備してきましたし、今日こそ好きになってもらいます!!)

恋桃(さぁ先輩!遠慮なく恋桃に見惚れちゃってください!!)

そう意気込んだのに────
斗愛「おはよう。ごめん待たせたよね」
恋桃「美しすぎませんか・・・」
斗愛「えっ?」
────恋桃が見惚れる側になりました。
↑天に召されそうになる恋桃

斗愛の格好→ベージュのTシャツに白のタンクトップを重ね着していて黒のスラックス。

恋桃(ああもう先輩が悪いんですよ!?第一イケメンなんだから何を着ても似合うに決まってるじゃないですか!心なしか先輩がいつもよりもキラキラして見えます。鼻血が出てしまったらどうしましょう。これは何としてでも目に焼き付けなければ・・・!!)

斗愛「え、急に黙ってどうしたの。何か付いてる?」
恋桃「いいえ!先輩がかっこよすぎて見惚れていました!!ところでどうです?恋桃の格好は!」

見やすいようにくるっと一周回る恋桃。

恋桃(図らずともボトムスの色が先輩とお揃いになりましたー!やっぱり恋桃と先輩は運命の糸で繋がっていくのでしょう)

恋桃「へへ、ピンクに黒だと地雷系を連想され男性受けが悪いと言いますが、恋桃に似合っているので気にしません!恋桃が気にするのは自分ウケですし、心優しい先輩が恋桃の好きな格好を批判するはずがありませんし!」
斗愛「・・・」←調子に乗ってクルクル回る恋桃のことをチラチラ見てる男が数人いることに気づく

恋桃「可愛いでしょう。付き合いたくなりましたか?」
斗愛「そうはなってないけど、桃ちゃんに似合ってると思うよ」←ずいっと顔を覗き込んできた恋桃に対しパッと笑顔を取り繕う
恋桃「ふふ、ですよね!お褒め頂きありがとうございます!!そういうところも大好きです!!!」

恋桃、ハッとする。

恋桃「付き合いたくはないってことはそのまま婚約・・・そして結婚ってことですか!? 恋桃は大歓迎です!!」
斗愛「違うからね」
恋桃「・・・まぁですよね。ちゃーんと分かってます」←しょんぼり

恋桃「でも考えることは自由だと思いますし、いずれはそうなると思いますしね!!」←満面の笑み

恋桃「では行きましょう!」

先に歩き始める恋桃。
てっきり手でも繋がれると思っていた斗愛は目を丸くし、自身の手に目を向けたあと「こっちです!」と言う恋桃に追いつく。
恋桃はびっくりしていることに気づかない。


○映画のコマを挟んだあと通りを歩くふたり

恋桃「ごめんなさい先輩、恋桃が事前にきちんとリサーチしておけば・・・」
斗愛「や、これは俺も悪かったっていうか、その・・・」

恋桃と先輩が何となくで決めた洋画の映画。
有名な俳優がキャスティングされているというので観てみたんですけどこれが間違いでした。
ストーリー的には面白かったんです。多分。ほとんど記憶にありませんが。
問題は洋画にありがちなイチャイチャです。
なんで所構わずチュッチュするんですか。聞いてませんよ。
おかげで気まずくなっちゃったじゃないですか。
出だしは好調だったのに…!!
↑状況説明兼回想

恋桃「とりあえずそこのカフェにでも入りませんか・・・?」←半泣き
斗愛「う、うん」

恋桃(あぁ~~~!!気まずいです!!!先輩はこんな素敵だというのに気まずすぎて直視出来ないなんて…!)


○カフェ

このまま気まずい雰囲気が続いたらどうしようと心配していましたが、杞憂に終わりました。

恋桃「先輩見てください!可愛いの権化がここにいます!」

偶然入店したカフェは3Dラテアートを得意としているところで、先輩はくま、恋桃はねこを注文しました。
元々先輩はブラックコーヒーを注文するつもりでしたが、恋桃が迷いに迷っているのを見かねてくまを頼んでくれたのです!
先輩からの優しさ溢れる提案に感動したとともにさっきまでの気まずい雰囲気が霧散しました。
先輩は心までイケメンすぎます。
ほんとーに、ほんとーに大好きです。
↑ 状況説明

斗愛「分かったから落ち着いて。一緒に写真撮ってあげようか?」
恋桃「いいんですか!?ぜひお願いします!」

斗愛とラテアートの写真を撮る恋桃。
シャッター音を聞いた斗愛は固まる。

斗愛「え?」
恋桃「はい?」

目を丸くした斗愛。

斗愛「桃ちゃんとラテアートで取ってあげようって意味だったんだけど・・・」
恋桃「!!? え、ごめんなさい!いきなり写真撮られて嫌でしたよね!?すぐに消しますね!!」
斗愛「や、それはいいんだけど」
恋桃「いいんですか!?!?」
斗愛「・・・あんまりよくないけど、悪用しないでしょ?人に送ったりとかインスタに載せたりとか」
恋桃「絶対にしません!!これは恋桃と先輩だけの思い出ですから!」

宝物を抱えるようにスマートフォンを握る恋桃がとても可愛らしく斗愛は顔を伏せる。

斗愛「・・・・・・・・・・・・・かわいー」←ボソッという。小声。
恋桃「? 先輩?」

先輩が何か呟きましたが、先輩の声を聴くことに特化した恋桃の耳をもってしても聞き取ることが出来ませんでした。なんて言ったか聞いてもはぐらかされて。

恋桃(大事なことを聞き逃した気がしますが気のせいですかね!?)

斗愛「えっと、じゃあ俺も桃ちゃん撮っていい?」←気を取り直すように
恋桃「え」
斗愛「いいよね?」
恋桃「・・・はい」

恋桃(恥ずかしいですが恋桃は先輩のお願いを断れるわけがありません。それを分かっててやってるならたちが悪いです。そういう先輩ももちろん好きですけど!!)

恋桃「なんか、先輩に撮られると思うと、照れますね」

じわじわと頬が赤くなる恋桃。

斗愛「・・・それは俺限定?」←確かめるように
恋桃「はい!もちろん」
斗愛「そっか。じゃあそのままでいてね」←含みのある笑顔で
恋桃「? はい」←斗愛の意図があまり掴めない。

恋桃「つまり恋桃は恋桃のままでいればいいんですよね?それなら得意です。なんせ恋桃は昔から変わらないねとよく言われるので!!!」

恋桃が得意げに言うと斗愛はぽかんとしたあとやわらかく笑った。

斗愛「ならよかった」

そのままカフェでおしゃべりしていたらあっという間に日が傾いてました。
やっぱり好きな人と過ごすと時間が高速で過ぎていきます。
その分充実した時間だったので満足してますけど!
↑恋桃のナレーション


○夕方・斗愛が駅まで恋桃を送っている

車道側を歩く斗愛。そのことに気づく恋桃。

さりげなく車道側歩いてくれていてめちゃくちゃ紳士です。
「俺が車道を歩くよ」などの言葉もなく自然とこうなってました。
恋桃(なんか手馴れてません?気のせいですか??過去にもこんなことがあったのでしょうか・・・。元カノ、とか・・・・・・)

恋桃、不安になる。

恋桃「あの、あまり聞きたくはないんですけど、元カノっていらっしゃいますか・・・?ほら、前に"今は"誰とも付き合うつもりはないと言っていたので前はいたのかなぁ・・・っと思いまして・・・」

言っているうちに気分が沈んでいく。

せっかくの初デートなのに余計な事に気づいてしまいました。
でも素敵な先輩のことだから元カノが何人かいたとしても納得がいきます。
過去の恋愛が原因で今彼女を作らない可能性も捨てきれませんし・・・。
それか元カノを引きずっているとか・・・。
どちらでも嫌で嫌で仕方ありません。
↑そんなことを考える自分が情けないけど不安で落ち込む

斗愛「いたことないよ」

恋桃(!?!?!?!??)←衝撃発言で語彙力を失う。

斗愛「そもそもデートも初めてだし」
恋桃「ふへ・・・?て、ことは、ですよ?先輩の初めてを恋桃が頂いたと・・・!?」
斗愛「他に言い方なかった?」

恋桃の顔が一気に明るくなる。嬉しすぎて手が震えています。

恋桃(あれ、それなら――)

恋桃「じゃあ、何で恋桃の誘いに乗ってくれたんですか・・・?」
斗愛「んー・・・。放っておいたら自宅を突撃されそうって思ったのと」
恋桃「え」(あんまりいい理由じゃない・・・!?)

恋桃の不安を取り除くように斗愛が笑う。

斗愛「面白そうだからかな」
恋桃「おも、しろ、そう・・・・」
斗愛「うん」

恋桃(これは少女漫画のよくありがちなおもしれー女ポジってことですか!!?え、今恋愛フラグ立ちました?え??)

恋桃「でしたら今日の恋桃は先輩をご期待に添えましたか?」
斗愛「いろいろ面白かったよ。意外な一面も知れたし」
恋桃「意外な一面・・・?」きょとん顔

恋桃(そんなところありましたっけ?通常運転の恋桃をお見せしたつもりでしたが??)

斗愛「手を繋いでこなかったこととか」
恋桃「そこですか!?」
斗愛「てっきりグイグイ腕とか組んでくるのかと思った」
恋桃「えっ、いやいやいくら恋桃でも付き合ってもいない状態でしませんよ!嫌がられたら立ち直れませんし!!そもそも恋桃はひたすらアタックはしますが、そういうちゃんとしたことは先輩の方からしてもらいたい派なので!!」←言い訳

一気にまくし立てたあとハッと気づく。

恋桃「――ってもしかして期待されてました!?」

恋桃(先輩も受け身側でしたとは知りませんでした!)
新たな発見に胸をときめかしていると斗愛が恋桃の顔を覗き込んだ。

斗愛「そうだと言ったら?」←試すように笑う
恋桃「今からでも腕組ませていただきます!!」
斗愛「冗談だよ」
恋桃「えっそんな!」←ガーン

明らかにがっかりする恋桃の反応を気に入った斗愛はクスクスと笑い始めた。

恋桃(笑ってる先輩もちょっと押さなく見えて可愛いです・・・)

斗愛はひとしきり笑った後、恋桃に手を差し出した。

斗愛「反応が面白かったから手ぐらいなら繋いでもいいけど、どうする?」
恋桃「よろしくお願いします!!」
斗愛「はは、即答」

斗愛はきちんと恋桃の手を握る。

恋桃(わわ、先輩の手、手・・・!!)

女の子のものとは違う骨ばった感触に心がいっぱいいっぱいになってこの後何を話したのか細かく覚えていません。
恋桃、一生の不覚!!!!!
↑ナレーション
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