運命の契約書

最終話 永遠の誓い

○神崎グループビル 法務部 朝 3か月後

法務担当者が緊急事態を知らせるために蓮を呼んでいる。

法務担当者:「専務、重大な発見がありました」

蓮:「どのような?」

法務担当者:「例の偽造書類ですが、作成者を特定できました」

蓮:「本当ですか?」

法務担当者:「はい。デジタル鑑定の結果、特定のプリンターと紙質が判明しました」

画面にデータを表示する。

法務担当者:「そして、その機器を使用できる場所は限定されています」

蓮:「どこですか?」

法務担当者:「宮下グループの本社ビル内です」

蓮、確信を得た表情。

蓮:「ついに証拠が…」

法務担当者:「さらに、監視カメラの映像も回収できました」

映像には麻里子が深夜にオフィスで書類を作成している様子が映っている。

蓮:「これで完璧です」




○丸の内大学 卒業式会場 昼

美優の大学卒業式。美優が卒業証書を受け取っている。家族と蓮が見守っている。

式後、蓮が美優に近づく。

蓮:「美優さん、卒業おめでとうございます」

美優:「ありがとうございます」

この数か月、二人の関係は少しぎくしゃくしていたが、蓮の無実を信じて支え続けた美優。

蓮:「実は、報告があります」

美優:「何ですか?」

蓮:「僕の無実が証明されました」

美優、驚く。

美優:「本当ですか?」

蓮:「麻里子の犯行の決定的証拠が見つかったんです」

美優、安堵の涙を流す。

美優:「良かった…本当に良かった」

蓮、美優を抱きしめる。

蓮:「信じて支えてくれて、ありがとう」

美優:「当然です。私はあなたを愛していますから」



○宮下麻里子のマンション 昼

警察が麻里子の自宅を訪れる。

刑事:「宮下麻里子さんですね。偽造書類作成、名誉毀損の疑いで逮捕します」

宮下麻里子:「何かの間違いです」

刑事:「証拠は十分揃っています」

手錠をかけられる麻里子。

宮下麻里子:「こんなはずでは…」

刑事:「黙秘権があります。弁護士を呼ぶ権利もあります」

麻里子、完全に敗北した表情で連行される。

宮下麻里子:「蓮さん…」

最後まで蓮への執着を見せる麻里子だが、もう手遅れだった。


○神崎グループビル 15階 国際事業部 1か月後

美優が正社員として初出勤している。以前のインターン時代とは違い、堂々とした表情。

田村:「横井さん、正社員としてのお帰りなさい!」

佐藤:「今度は同僚としてよろしく」

美優:「こちらこそ、よろしくお願いします」

鈴木係長:「横井さん、いえ、今日からは神崎専務の婚約者として、期待していますよ」

美優、照れる。

美優:「頑張ります」

田村:「結婚式はいつ?」

美優:「来月予定です」

佐藤:「楽しみだなー」

和やかな雰囲気の中、美優の新しいキャリアが始まる。



○軽井沢 蓮の別荘 夕方 2週間後

美優と蓮が思い出の別荘を再訪している。テラスで二人が夕日を見ている。

蓮:「ここに来るのは久しぶりですね」

美優:「初めて二人きりで過ごした場所ね」

蓮:「あの時から、ずっとあなたと結婚したいと思っていました」

美優、振り返る。

蓮:「長い試練を乗り越えて、ようやくこの時が来ました」

蓮、膝をつく。ポケットから指輪を取り出す。

蓮:「横井美優さん、僕と結婚してください」

美優、感動で涙ぐむ。

美優:「はい。喜んで」

蓮、美優の指に指輪をはめる。

美優:「きれい…」

蓮:「あなたほど美しくはありませんが」

二人、抱き合う。

蓮:「今度こそ、誰にも邪魔されない幸せを築きましょう」

美優:「はい。永遠に」

星空の下でキスを交わす二人。



○蓮のマンション 夜 1週間後

美優と蓮が並んで座り、婚姻届を記入している。

蓮:「いよいよですね」

美優:「緊張します」

蓮:「僕も同じです」

美優、「横井美優」から「神崎美優」に変わる名前を書く。

美優:「神崎美優…慣れないわね」

蓮:「でも、とても素敵な響きです」

美優:「本当に私でいいんですか?」

蓮:「まだそんなことを言うんですか?」

美優:「だって、色々ありすぎて…」

蓮:「だからこそ、あなたでなければダメなんです」

蓮、美優の手を握る。

蓮:「あなたと出会って、本当の愛を知りました」

美優:「私もです」

蓮:「これからは神崎美優として、一緒に歩んでいきましょう」

美優:「はい。神崎美優として」

二人、婚姻届に最後の署名をする。



○区役所 戸籍課 翌朝

美優と蓮が婚姻届を提出している。健人と恵子も付き添っている。

職員:「書類に不備はございません。本日受理いたします」

蓮:「ありがとうございます」

美優:「これで正式に…」

健人:「姉ちゃん、おめでとう」

恵子:「美優、幸せになりなさい」

蓮:「必ず幸せにします」

恵子:「蓮さん、美優をお願いします」

蓮:「はい、お義母さん」

家族みんなで記念撮影。

職員:「お幸せに」

美優:「ありがとうございます」

役所を出ると、桜が舞っている。

美優:「きれい…」

蓮:「新しい人生の始まりですね」

美優:「はい」

手を繋いで歩く夫婦。



○ウェディング会場 1か月後

美優がウェディングドレスの最終フィッティングをしている。竹内由香と田中秘書が付き添っている。

竹内由香:「美優ちゃん、本当に美しいわ」

美優:「ありがとう」

田中:「専務も感激されるでしょう」

美優:「田中さん、長い間お疲れさまでした」

田中:「私の方こそ。二人の愛を見守れて幸せでした」

竹内由香:「思えば色々あったわねー」

美優:「本当に。でも、すべてに意味があったと思う」

田中:「試練があったからこそ、愛が深まったのですね」

美優:「そう思います」

ドレス姿の美優を見て、三人とも感動している。

美優:「明日は、人生で一番幸せな日になりそう」




○教会 昼

美しく装飾された教会。ゲストが着席している。神崎グループの社員、美優の大学関係者、両家の家族が集まっている。

パイプオルガンが響く中、蓮がタキシード姿で祭壇に立つ。

そして、美優が父親代わりの健人にエスコートされて入場する。純白のウェディングドレスが美しい。

健人:「姉ちゃん、幸せになれよ」

美優:「ありがとう、健人」

健人から蓮へと美優を託す。

蓮:「美しいです」

美優:「ありがとう」

牧師:「愛する皆様、今日は神崎蓮さんと横井美優さんの結婚式にお集まりいただき、ありがとうございます」



牧師:「神崎蓮さん、あなたは横井美優さんを妻とし、病める時も健やかなる時も、愛し続けることを誓いますか?」

蓮:「誓います」

牧師:「横井美優さん、あなたは神崎蓮さんを夫とし、病める時も健やかなる時も、愛し続けることを誓いますか?」

美優:「誓います」

牧師:「指輪の交換をしてください」

蓮が美優の指に指輪をはめる。

蓮:「この指輪は、僕の永遠の愛の証です」

美優も蓮の指に指輪をはめる。

美優:「この指輪は、私の永遠の愛の証です」

牧師:「それでは、神と皆様の前で、お二人は夫婦となりました。新郎は新婦にキスをしてください」

蓮と美優、キスを交わす。

会場から大きな拍手と歓声。

牧師:「神崎ご夫妻の末永いお幸せをお祈りいたします」



○ホテル 宴会場 夕方

華やかな披露宴。美優はカラードレスに着替えている。

司会:「それでは、新郎新婦のご挨拶をいただきます」

蓮と美優がマイクの前に立つ。

蓮:「本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました」

美優:「皆様のおかげで、今日この日を迎えることができました」

蓮:「美優さんと出会って、人生が変わりました。これからは二人で力を合わせて、幸せな家庭を築いていきます」

美優:「色々なことがありましたが、すべてが今日につながっていたと思います。支えてくださった皆様、本当にありがとうございました」

会場から温かい拍手。

田中:「おめでとうございます!」

竹内由香:「幸せになってね!」

健人:「姉ちゃん、蓮さん、お幸せに!」



披露宴の中で、恵子からのメッセージが読まれる。

司会:「新婦のお母様からのお手紙を代読させていただきます」

恵子の手紙:「美優へ。あなたが小さい頃から、いつも家族のことを考えてくれる優しい子でした。蓮さんと出会って、あなたは本当に幸せそうになりました。時には辛いこともあったけれど、それを乗り越えたからこそ、今日の幸せがあると思います。蓮さん、美優をお願いします。そして美優、蓮さんを大切にして、素晴らしい家庭を築いてください。愛する娘へ。お母さんより」

美優、涙ぐむ。蓮が優しくハンカチを渡す。

美優:「お母さん…」



○拘置所 面会室 同日

麻里子が弁護士と面会している。髪は乱れ、以前の美しさは失われている。

弁護士:「宮下さん、判決が出ました」

宮下麻里子:「どのような?」

弁護士:「懲役2年、執行猶予なしです」

宮下麻里子:「そんな…」

弁護士:「偽造書類作成、名誉毀損、ストーカー行為…罪状が多すぎました」

宮下麻里子:「蓮さんは…今日結婚式だそうですね」

弁護士:「そのようです」

麻里子、うなだれる。

宮下麻里子:「私の負けです…完全な敗北」

弁護士:「控訴しますか?」

宮下麻里子:「いえ…もういいです。罪を償います」

ついに諦めた麻里子。長い戦いは美優と蓮の完全勝利で終わった。



○新居 夜

蓮と美優が新しいアパートで新婚生活を始めている。

美優:「今日は夢のようでした」

蓮:「僕も。ようやく君と結婚できた」

美優:「長い道のりでしたね」

蓮:「でも、その分愛が深まりました」

美優:「そうですね」

蓮、美優を抱きしめる。

蓮:「神崎美優さん」

美優:「はい、神崎美優です」

蓮:「愛してます」

美優:「私も愛してます」

窓の外には満月が輝いている。

美優:「これからどんなことがあっても、一緒に乗り越えましょう」

蓮:「はい。永遠に」



○神崎グループビル 屋上 1年後 夕方

美優が妊婦姿で蓮と一緒に夕日を見ている。

美優:「もうすぐ赤ちゃんに会えるのね」

蓮:「楽しみです。男の子かな、女の子かな」

美優:「どちらでも、私たちの愛の結晶」

蓮、美優のお腹をそっと撫でる。

蓮:「この子には、僕たちのような試練は味わわせたくないですね」

美優:「でも、試練があったからこそ、今の幸せがある」

蓮:「そうですね。感謝しています」

美優:「私も」

夕日が二人を優しく包む。

美優:「蓮さん」

蓮:「はい」

美優:「愛してます」

蓮:「僕も愛してます。永遠に」


ナレーション(美優):「私たちの愛は多くの試練を乗り越えた。嫉妬、嫌がらせ、誤解、別れ…すべてを経験した。でも、真の愛は決して諦めない。今、私たちは最高の幸せを手に入れた。そして、新しい命と共に、さらなる幸せな未来を歩んでいく──」


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