再会した初恋の幼馴染との距離が近すぎて困ってます! ~離れて初めて気付く恋~

 私達は、空いているカウンター席に並んで座った。


「ここ、豚骨おすすめ」

「え、マジ? じゃあそれにする。あとメンマと煮卵も追加」

「いくね~。んじゃ俺もそれにしよっかな」


 これは、私の好きなラーメンの味も覚えていたな?

 豚骨ラーメンなんて、全然女の子らしくない好物だ。スイーツとか果物とか、おしゃれなものが普通だと思う。

 だから、周りには言ってなかった。ラーメンの代わりにいちごが好きだって言っているけれど、これは人並みに好きで、本当の好物は言ってない。

 これを知っているとしたら、家族と、朝陽くらい。けれど、朝陽は忘れてるんじゃないかと思っていたのに。

 マジか。なんか、やられたというか、悔しいというか。そんな気分になる。

 けれど一番は、私の好きなものをまだ覚えていてくれたことが、とっても嬉しい。


「わ、美味しそう」

「だろ? じゃ、いただきます」

「いただきます」


 注文した豚骨ラーメンの一口目。とてもいい香りと澄んだスープ、半熟の煮卵に美味しそうな麺で期待が大きくなる。


「……マジか」


 そう呟いてしまうほど、超絶に美味しかった。そして、箸がどんどん進む。香り良し、麺良し、スープ良し、煮卵最高。

 すっごくバランスの良い超絶に美味しい豚骨ラーメンに出会えるなんて、ヤバすぎる。

 だから、箸が止まる事は一切なく、むしろどんどん進んでいく。
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