嘘つきな天使
事件の真相。
■ 事件の真相。
手をつなぎ合って大通りに出ると私たちの横にすぐパトランプが光った黒いセダンタイプの車が停まった。所謂覆面パトと言われるものだろう。
「警察です。二人とも乗って」と運転席から西園寺刑事さんと同じ年齢ぐらいの男の人が警察手帳を見せながら後部座席を目配せ。
『僕の後輩だ、その車に乗って二人ともすぐその場から立ち去れ』と西園寺刑事さんの声が無線で飛んできて、私たちは迷うことなくその警察車両と思われる車に乗り込んだ。
「それにしても派手にやりましたね。無茶し過ぎですよ」と刑事さんが鼻をつまんでため息交じりに言う。
と言うものの私たちはゴミ袋の中にダイブしたわけだから二人とも生ごみ臭い。
「まぁ、これで西園寺先輩が気にしてた事件が解決できて無事良かったですけど」
「あ、あはは~…」と私たちは苦笑い。
刑事さんが送ってくれて無事天真の家についたときはくたくただった。
気付いたら天真の手の甲にはガラスで切った小さな傷跡があった。
「天真、血が出てる。消毒しなきゃ」
「これぐらいなら洗い流せば止まる。彩未こそ、腕に細かい傷ができてる」
痛みこそないが言われて初めて自分の腕のあちこちに細かい傷ができてるのが分かった。
確かに天真が言った通り消毒液をその場その場に塗るより、洗い流す方が早い気がする。
「彩未、一緒に風呂に入るか?」
天真が私の腰に手を回しにっこり。
「え゛!でもお風呂溜めてないし」
「シャワーで充分だろ。行こうぜ」と無理やり腕を引かれバスルームへと連れていかれる。
もう、勝手なんだから!
それでも嫌な気にならないのは、さっき体験した怖い思いを払拭したかったのか。それともまだ夢と言う非現実の世界から抜け出せてないのか。
お互いの服を脱ぐのももどかしくて私たちは互いの服を脱がし合いながらキスの嵐を降らせた。
熱いシャワーを頭から浴びると、今まで興奮していて暑かったと思っていた体が思いのほか冷えていたことに気づき心地よかった。
天真は私を後ろに向かせると、タトゥーのある辺りにキス。びくりと体が揺れ、大きな手が私の胸を包む。
熱い―――手だった。
天真は私の顔をこちらに向け、口ら辺に手をやった。私はその太くて骨ばった親指を口に含んだ。それはほんの少し塩の味を感じた。
天真が欲しい。
天真も同じ同じ思いだったのか、いつもより早めにそれは私の内部に埋め込まれた。
シャワーの音と私の声がやらしくバスルームに響く。
「てん……しん……もっとゆっくり…」
「痛いか?」耳元で優しく聞かれ、私は首を横に振った。気持ち良すぎてこれじゃ私の方が先にダウンしてしまいそうだ。
今まで”死”を意識した危険なことをしていたからだろうか、それは子孫を世に残すと言う本能が強くなっているのかもしれない。
「これ以上はダメ……私…もう」
「俺も限界だ」
私たちは二人一緒に極限へと向かった。