ガラスの壁を越えて

第4章 崩壊と対峙

プロジェクトのクライマックス。プレゼン当日、晶乃が体調を崩した。過労とストレスからだ。晶菜は代わりに資料をまとめ、晶来の助けで乗り切った。だが、晶乃の不在が、晶菜の心を乱した。病院に駆けつけた晶菜は、そこで晶乃の本当の姿を見た。ベッドで弱々しく笑う晶乃。
「ごめん、みんなに迷惑かけちゃった」
この出来事が、すれ違いを解くきっかけになった。晶菜は勇気を振り絞り、晶乃に自分の気持ちを告白した。「私はレズビアンで、あなたが好き。でも、言えなくて…」
晶乃は驚いたが、拒絶せず。
「私も、あきなさんのことが気になってた。でも、ライフスタイルが違いすぎて、近づけなかった」
価値観の違いが明らかになった。晶乃はストレートだが、晶菜の誠実さに惹かれていた。バイセクシャルの晶来が仲裁に入り、「今の時代、愛は多様よ。SNSの表層じゃなく、本当の自分を見せ合おう」とアドバイス。
物理的なハードルも乗り越え始めた。三人はリモートワークを活用し、オンラインで心を通わせる。家族の問題は、晶菜が母にカミングアウトする決意をし、晶乃と晶来が支えた。金銭の悩みは、晶乃が「一緒に節約旅行しよう」と提案。
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