竜王の歌姫
そんな時、心臓がドクンと脈打った。
(何なの……?)
まるで身体の下を何かが這いずっているかのような、不快さを纏う違和感と息苦しさ。
それがここしばらく続いていた。
しかし医者に見せても何ともないというし、気づいた頃には消えているからと
大して気にはしていないが、それでも不快なものは不快だ。
「あ、ルーシー様!
ここにいたんですね」
ルーシーに近寄ってきたのは、アリサとユウミだった。
カノンとギルバートの密会。
その情報をもたらしたことをちょっと褒めてやったら、2人はまたルーシーに擦り寄ってくるようになった。
馬丁の仕事の合間に与えられる貴重な休憩時間にルーシーの元を訪れては、小間使いをして点数稼ぎをしようとしている。
謹慎明けからは前のように侍女を扱き使うこともしにくくなっていたから、ルーシーもそれを許容した。
だからといって、こいつらが望んでいる“侍女への復帰“の口利きをしてやるつもりはないけれど。
「あ……雨が降ってきましたね」
ユウミの言葉通り、空からは雨が降り出した。
ルーシーは、自身の体が再びざわめき始めるのを感じていた。
「うわ、なんだ……!?」
「瘴気が……!」
同時に、騎士団の面々が騒ぎ出す。
突如として大量の瘴気が発生し、急速に辺りに蔓延し始めていた。
「どうしてこんな急に……!」
「いやでも、ここには歌姫様がいる……!」
そしてルーシーに向けられる期待の目。
この瘴気を浄化できるのは、ルーシーだけなのだ。
(何なの……?)
まるで身体の下を何かが這いずっているかのような、不快さを纏う違和感と息苦しさ。
それがここしばらく続いていた。
しかし医者に見せても何ともないというし、気づいた頃には消えているからと
大して気にはしていないが、それでも不快なものは不快だ。
「あ、ルーシー様!
ここにいたんですね」
ルーシーに近寄ってきたのは、アリサとユウミだった。
カノンとギルバートの密会。
その情報をもたらしたことをちょっと褒めてやったら、2人はまたルーシーに擦り寄ってくるようになった。
馬丁の仕事の合間に与えられる貴重な休憩時間にルーシーの元を訪れては、小間使いをして点数稼ぎをしようとしている。
謹慎明けからは前のように侍女を扱き使うこともしにくくなっていたから、ルーシーもそれを許容した。
だからといって、こいつらが望んでいる“侍女への復帰“の口利きをしてやるつもりはないけれど。
「あ……雨が降ってきましたね」
ユウミの言葉通り、空からは雨が降り出した。
ルーシーは、自身の体が再びざわめき始めるのを感じていた。
「うわ、なんだ……!?」
「瘴気が……!」
同時に、騎士団の面々が騒ぎ出す。
突如として大量の瘴気が発生し、急速に辺りに蔓延し始めていた。
「どうしてこんな急に……!」
「いやでも、ここには歌姫様がいる……!」
そしてルーシーに向けられる期待の目。
この瘴気を浄化できるのは、ルーシーだけなのだ。