竜王の歌姫
さっと血の気が引いていく感覚。だってそうだとしたら、この人はもうすぐこの国で一番偉い立場になるお方。
そんな人が、カノンの探し物のために膝を折って手のひらを土で汚している―――卒倒するような光景だ。
しばらく捜索を続けた男が、ふと声を上げる。
「―――見つけた。探し物は、これか?」
差し出された手のひらの上にあるのは、ルーシーのピアスに間違いなかった。
まさか、本当に見つかるなんて。自然とカノンの顔が綻んだ。
ピアスを受け取りながら、ペコペコと頭を下げる。
「見つかってよかったな」
男がまた指をひと振りすると、浮かんでいた炎の灯りが消えていく。
未知数の力を、息をするかのように使いこなす様に、カノンはただ圧巻されるばかりだった。
「ギルバート様」
そこにかけられた声。カノンも自然と声の方へ振り返る。
こちらへと駆け寄ってくるのは騎士服の男だ。
(ギルバート……やっぱり)
そしてカノンは、自分の予想が正しかったことを知る。
この人こそが、次代竜王・ギルバート。
この国の、カノンたちの次の王となるお方。
そんな人が、カノンの探し物のために膝を折って手のひらを土で汚している―――卒倒するような光景だ。
しばらく捜索を続けた男が、ふと声を上げる。
「―――見つけた。探し物は、これか?」
差し出された手のひらの上にあるのは、ルーシーのピアスに間違いなかった。
まさか、本当に見つかるなんて。自然とカノンの顔が綻んだ。
ピアスを受け取りながら、ペコペコと頭を下げる。
「見つかってよかったな」
男がまた指をひと振りすると、浮かんでいた炎の灯りが消えていく。
未知数の力を、息をするかのように使いこなす様に、カノンはただ圧巻されるばかりだった。
「ギルバート様」
そこにかけられた声。カノンも自然と声の方へ振り返る。
こちらへと駆け寄ってくるのは騎士服の男だ。
(ギルバート……やっぱり)
そしてカノンは、自分の予想が正しかったことを知る。
この人こそが、次代竜王・ギルバート。
この国の、カノンたちの次の王となるお方。