竜王の歌姫
竜王―――この国で1番の男となることが決まっているギルバートが欲しい。
今度はあの人を手に入れる。
この城に来て、そう決めてから、暇さえあればギルバートに会いに行ってアピールを重ねる日々。
歌姫としての勉強がどうとか、そんなのは二の次だ。
まず大事なのは、ギルバートと想いが通じ合うこと。
ギルバートが自分を受け入れることを、疑いもしなかった。
当然だ。
だってルーシーは、竜王の……ギルバートの歌姫であるのだから。
それでもギルバートは、中々ルーシーに靡かなかった。
それにギルバートは、いつまで経ってもルーシーを正式な歌姫と認める儀式を進めようとしない。
焦れたルーシーは、ギルバートの元を訪れた。
「歌姫の儀式はいつになるのか」
そう尋ねたルーシーに対して、ギルバートは少しの間を置いてから尋ね返す。
「……君は、歌姫とはどんな存在だと思う?」
「え?
えっとぉ……歌姫は、瘴気を消せて、特別で。
竜王様に相応しい、唯一の存在だと思います」
そんな歌姫が、自分なのだ。
「そう。歌姫だけが、竜人の瘴気を浄化することができる。
そして竜王と共にこの国を支える、唯一無二の存在だ」
そうよ。だから、アナタにはこの私が必要でしょ?
今度はあの人を手に入れる。
この城に来て、そう決めてから、暇さえあればギルバートに会いに行ってアピールを重ねる日々。
歌姫としての勉強がどうとか、そんなのは二の次だ。
まず大事なのは、ギルバートと想いが通じ合うこと。
ギルバートが自分を受け入れることを、疑いもしなかった。
当然だ。
だってルーシーは、竜王の……ギルバートの歌姫であるのだから。
それでもギルバートは、中々ルーシーに靡かなかった。
それにギルバートは、いつまで経ってもルーシーを正式な歌姫と認める儀式を進めようとしない。
焦れたルーシーは、ギルバートの元を訪れた。
「歌姫の儀式はいつになるのか」
そう尋ねたルーシーに対して、ギルバートは少しの間を置いてから尋ね返す。
「……君は、歌姫とはどんな存在だと思う?」
「え?
えっとぉ……歌姫は、瘴気を消せて、特別で。
竜王様に相応しい、唯一の存在だと思います」
そんな歌姫が、自分なのだ。
「そう。歌姫だけが、竜人の瘴気を浄化することができる。
そして竜王と共にこの国を支える、唯一無二の存在だ」
そうよ。だから、アナタにはこの私が必要でしょ?