竜王の歌姫
ラースの滞在に付き添ったフォーゲルの鳥人侍女が2人。
これがラースのお世話係についている侍女たちだ。
これまではそこに竜人侍女も1人いたのだが、諸事情により仕事を離れたらしい。
穴埋め的な形でカノンが加わるというのは、完全にラースの思いつきのようだ。
「カノン、もしイヤならそう言えばいい」
ニアは私を心配してそう言ってくれたし、事情を知った侍女長もまずカノンの意思を尊重してくれた。
カノンはこれまで掃除や洗濯ばかりをしてきて、高貴な方へ仕えた経験なんてないに等しい。
だから追加の侍女を募るなら、他に適任はいくらでもいるはずだ。
けれど、仮にもフォーゲルの王子であるラースが望んだことを無下にするのも憚れた。
それに、ラースとギルバートは幼少期から仲の良い友人関係なのだという。
ギルバートが心を許している相手なら、きっと悪い人ではないはずだ。
だからカノンは、ラースの望み通りにお世話係へと就任することになった。
とはいえそれは、ラースがフォーゲルへ帰国するまでの期間限定のことだ。
ラース付きの侍女は、2人ともカノンに優しかった。
「ラース様が無茶言ってごめんなさいね」
フォーゲルの侍女たちは、ラースの思いつきにより振り回されることに慣れているようだ。
「分からないことは私たちに何でも聞いて」
慣れない仕事に戸惑うカノンのことを、あたたかくサポートしてくれた。
これがラースのお世話係についている侍女たちだ。
これまではそこに竜人侍女も1人いたのだが、諸事情により仕事を離れたらしい。
穴埋め的な形でカノンが加わるというのは、完全にラースの思いつきのようだ。
「カノン、もしイヤならそう言えばいい」
ニアは私を心配してそう言ってくれたし、事情を知った侍女長もまずカノンの意思を尊重してくれた。
カノンはこれまで掃除や洗濯ばかりをしてきて、高貴な方へ仕えた経験なんてないに等しい。
だから追加の侍女を募るなら、他に適任はいくらでもいるはずだ。
けれど、仮にもフォーゲルの王子であるラースが望んだことを無下にするのも憚れた。
それに、ラースとギルバートは幼少期から仲の良い友人関係なのだという。
ギルバートが心を許している相手なら、きっと悪い人ではないはずだ。
だからカノンは、ラースの望み通りにお世話係へと就任することになった。
とはいえそれは、ラースがフォーゲルへ帰国するまでの期間限定のことだ。
ラース付きの侍女は、2人ともカノンに優しかった。
「ラース様が無茶言ってごめんなさいね」
フォーゲルの侍女たちは、ラースの思いつきにより振り回されることに慣れているようだ。
「分からないことは私たちに何でも聞いて」
慣れない仕事に戸惑うカノンのことを、あたたかくサポートしてくれた。