ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララ、王宮に行く
王宮の待遇は、素晴らしいものだった。
控えの間がついた、とてつもなく広い部屋、天蓋付きのベッド、
ふかふかの羽毛布団、豪華な食事。
専任の召使もつけると言われたが、断った。
王宮内を自由に歩くには、お付きの者がいると邪魔だ。
リアララはベッドに寝っ転がって、王専属の秘書官から渡された
レスタ姫の医療記録報告書を、斜め読みをした。
一通り読み終わると、もう一度、概略を脳内で反芻した。
レスタ姫は生まれた時、尻の部分に「紅のドラゴン」の斑紋があった。
1歳の誕生日の翌日に、その斑紋が突然消失した。
理由は不明。
それ以外の健康上の問題はない。
レスタ姫はそれから半年に1回、
医療魔術師による鑑定診断を受けている。
それは12歳まで続いた。
それ以降、レスタ姫が強い拒絶をしたため、実施されていない。
まぁ、年頃の娘ならば・・・
知らないオトコの魔術師に、入れ替わり立ち代わり体を探られるのは、屈辱だろう。
魔術師は成人になった時に、
自分の魔法陣が完成するので、特性、作用機序や魔力量が、その時点で決まる。
大人の魔法陣が変わるとすれば、経年劣化、つまり高齢が原因だ。
その他、病気や事故による怪我、魔力攻撃を受けた時などのダメージによる変化が一般的だ。