ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララ、レスタ姫と接触する
誰もいない会議室で、
レスタ姫は机の上に書類を広げて、内容を確認していたが、疲れているのか文字がすべって読めない。
指先で、こめかみをもむようにしていると、
「え・・・?」
すぐ前の書類の上、ポイッと雛菊に似た小さな花が投げられたのだ。
視線の先に青い小鳥がチョンと机の端にとまって、黒く丸い目で
こちらをじぃっと見ている。
チチチチ・・・チーィ?
小鳥のさえずりなのだが、会話したがっているようにも見える。
チチチチ・・・チーィ?
小鳥はチョンチョンとステップを踏むように動き、
おどけたしぐさで尾羽を上げて首をひねってみせた。
「ブルーバード、ここに閉じ込められたの?」
レスタ姫は立ち上がり、近くの窓を開けた。
「さぁ、外にお行きなさい」
小鳥は窓枠の所で止まっていたが、
机の上にある花をつかみ羽ばたいた。
そのままレスタ姫の頭の上で花を落とし、廊下の開いている扉から飛んで行った。
「なんなの?」
レスタ姫は首を傾げて、頭の上にある小花をつまみあげた時だった。