ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む

リアララ、決意する

教会はいつものように、食べ物を求めるニンゲンたちでごったがえしていた。

この時間、レスタ姫は礼拝堂にいるはずだ。

リアララは、目くらましの魔法を使い、控室までたどりついた。

二人の修道女がボロをまとった老婆を支えながら、礼拝堂から出て来たので、その隙をついて中に入り込んだ。

「・・・姫・・・!!」

レスタ姫はいきなり現れたリアララに驚いた顔をみせたが、すぐに冷静な態度に戻った。

「ちょうどよかったわ。
あれから・・・考えたのだけれどもCではなくAプランに変更よ」

「はぁ?なんで・・・」

予期せぬ変更に、リアララは前のめりになり机に手をついた。

「BでもCでも・・・あなたの力が不可欠でしょう。

でも、そこまであなたに、重責を負わせるわけにはいかないと思ったの」

レスタ姫は窓を開けて、外気を入れた。

「ヴァリエスタの鳥は、籠に閉じ込められるのを嫌うでしょう?」

そう言って、レスタ姫は微笑んだ。

「Cプランは、わかっていると思うけど・・・
ここから大事な話になるので、結界を張ってもらえるかしら?」

リアララはうなずき、指をならすと、天井から薄膜が下りて来た。

「Cプランは私の妊娠が・・・問題になる。

子どもの父親についても詮索されるとなると、私だけの問題だけではなくなるから。

それに娘の将来のことも。
だから・・・Aプランにすることに決めたの。
そしてその時、何かあれば・・・」

レスタ姫は指輪の石の台座部分を外すと、小さな丸薬が2粒入っている。

「1粒なら気を失う、2粒なら死ぬ。
もし、魔力が暴発して、黒のドラゴンが出る前に何とか食い止めることができる」

姫は丸薬を手のひらで転がしてみせた。

「そんなこと絶対にさせない!!」
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