ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララは丸薬をひったくると、窓の外に投げ捨てた。

「いいか、よく聞いて欲しい!
姫が不幸なら、この国も不幸になる。

そして俺も不幸だ!そんなことは絶対に嫌だ!!」

リアララの叫び声に、空気が震える。

「俺は幸福になりたい!
朝、起きたら、姫と娘がいる生活をしたい!・・・」

レスタ姫は「その発言は意外だ」というように、目を見開いてリアララを見た。

「あなたは自由でいたくないの?
王宮と関わると、面倒な事がたくさんあるのよ」

「俺は居場所が欲しいと、ずっと思っていた。
そしてわかったんだ。

姫のいる場所が俺の居場所だって。
それが王宮であろうとも、場所なんて関係ない」

リアララはそう言うと、姫が逃げ出せないように強く腕に力を入れ抱きしめた。

「あなたがヴァリエスタの当主に正式になればいい。
そして娘も俺が育てる」

「本気で・・・それを言っているの?」

「ああ、YESと言ってくれるまで、
この部屋の結界は解かない!!」

「ブルーバード・・・」

ささやくようなその言葉で、リアララの目に動揺が走った。
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