きみと、まるはだかの恋
「あのアイデアは良かったよ。プラネタリウム。あんなカフェ見たことない」

「東京にいくつかあるみたいですよ。でも、数はそれほど多くないとは思いますけど」

「もともとは紬ちゃんのアイデアだしね」

「うん。なんにせよ、星見里の魅力が十分伝わるカフェになっているな。ちなみに店名はもう決めたのか?」

 重村さんが、運ばれてきた茄子田楽を頬張りながら聞いてきた。
 私は昴と顔を見合わせて、首を横に振った。

「それが、まだなんです。どんな店名が相応しいか、考えているところで」

「そうなんだー。どうせなら二人らしい名前がいいよね。あとは一発で覚えてもらえそうな名前」

「そうそう。考えすぎて決まらないというか」

 昴と共に苦笑いしていると、重村さんが「なんか二人って」と私たちを交互に見つめた。

「やっぱりめちゃくちゃお似合いだよな。このまま結婚するの?」

 唐突に“結婚”などという爆弾ワードを投下され、私たちは慌て出す。昴が「いやいやー」と手を横に振る仕草を見て、なんだか胸がずんと疼いた。
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