クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


「日向ちゃん、そういえば学校の王子って…」


前に日向ちゃんから存在は教えてもらったけど、名前は聞いてなかったから、なんていう人なの?と聞こうとした時。


「キャー!」 「かっこいいー!」


と女子の黄色い声があちこちから響いた。


「ほら王子の……綿谷の登場よ」


「………わたや?」


一瞬、耳を疑った。


呆れるように先を見つめる日向ちゃんの視線を追う。


周りの女子たちの声に一切反応なくこちらに近づいてくる、




紛れもない、綿谷くんだった。





< 100 / 174 >

この作品をシェア

pagetop