クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「ボソボソ答えてんじゃねーよ!」
「っ…」
制服の襟を、ぐいっと掴まれる。
「根暗でブスなくせに、調子乗ってんじゃねーよ」
よりにもよって、中里さんに見られていたなんて……
「あんたさ、自分の立場わかってんの?地味なあんたと王子じゃ、全然釣り合いとれねーつうの」
「……」
自分でも、一番わかっていることを言われて、反論の余地なんてない。
最初から、反論なんてできるはずがない。
中里さんは掴んでいた手を、思いきり離した。