クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
後ろによろけた私はなんとかバランスを保つ。
「ったく、こんな時もだんまりかよ。あんたさ、王子と付き合ってるわけ?」
「………違います」
首をふる私を、中里さんは腕を組んで睨みつける。
「…ふーん。なんで一緒にいたかは知らないけどさー、どうせあんた、都合よく使われてるだけだから」
「……え」
中里さんの言葉に、私は顔をあげる。
嘲るように笑う中里さんと、目が合う。
「何も言い返せないあんたを、都合よく使ってるだけ。要するに、王子はあたしみたいに、あんたをおもちゃ扱いしてるってわけ」
「…そんな…」
中里さんの言葉が、刃のように心をえぐる。