クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「ど、どど、どうしようっ」
日向ちゃんに言われたことを思い出して、私は半泣き状態のまま玄関の前でおろおろしていた。
さっきドアノブ引いてみたけど、鍵かかってたみたいだし…
い、石をぶつけて鍵を壊せば、なんとか強行突破できるかな…
そんな無茶なことを考えてしまうほど、私は焦りに焦っていた。
もう一回、チャイム押してーーー
「っ…!」
と、突然ガチャっと玄関のドアが開いて、ゴツン!とおでこにクリーンヒット。
あまりの痛さにおでこを抑えて、後ろに数歩よろめいた。
「……華子?」