クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
驚いたように私の名前を呼ぶ綿谷くん。
なんだか、いつもと様子が違う。
キリッとした目元が、今はとろんとしていて、呼吸もなんだか苦しそうで…
立っているのも、やっとな様だった。
「ごめんなさい、少し触ります」
遠慮がちに触れたおでこが、ものすごく熱かった。
「すごい熱…」
「…帰れ。お前に風邪うつったら困る」
そんなことを言う綿谷くんを、家の中に押し込んだ。
「わ、私は大丈夫だから…お邪魔します!」