クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「誕生日なのに、呼んでくれないわけ?」
その表情、ずるすぎるよ……
「今日の綿谷くん、いつも以上に意地悪で欲張りです…」
「別にいいだろ?1年に1回の誕生日なんだし。それより早く呼べよ。ずっと待ってんだけど」
「……っ」
今日は絶対に逃してくれなそうな雰囲気だ。
綿谷くんは、じっと、私が口を開くのを待っている。
「ほら、早く」
"呼べよ"、そう耳元で囁かれて、私はぎゅっと目を閉じた。
「……れ、蓮く、んっ!」
唇に、何かが触れる感触。
何が起きたのかわからなくて、目を開くと、目を閉じた綿谷くんの長いまつ毛がすぐそこにあった。