クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


少し頬を赤く染めて、早瀬くんが日向ちゃんに話しかけている。


「はあ?なんであんたと食べなきゃいけないのよ。ね、華子…華子?」


日向ちゃんの問いに答えることもなく、私はお弁当の袋をぎゅっと握ったまま視線を落とした。


「あ、蓮来た。おせーよ…って、えっ、華子ちゃん!?」


綿谷くんが近づくのと同時に、私はその場から逃げ出す。


多分、今綿谷くんを目の前にしたら、きっと顔が真っ赤になって、きっといつもの自分じゃいられない。


「ちょっと華子!?」と私を呼び止める日向ちゃんの声がした気がするけど、構わずにひと気のない部屋に逃げ込んだ。


今日は逃げてばっかりだ……





< 198 / 200 >

この作品をシェア

pagetop