クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
中里さんの方がずっと背が高いせいで、こうやって目の前に立たれると、さらに威圧感を感じた。
それが、ずっと怖かった。
「…な、何」
私の震える声に気付いたのだろう。
中里さんはいつも以上に余裕げな笑顔で私を見つめる。
「私、ハナコにしなきゃいけない大事な話しがあるんだけど。ここじゃあれだし、ちょっと教室変えよっか」
髪の毛をくるくると指に巻き付けながら、表面上は優し気な顔をしているけど、目が笑っていなかった。
でも綿谷くんとの約束があるから、時間をかけるわけにはいかない。
「今日は友だちと帰る約束してて…だから…」
私の答えに、中里さんの眉がぴくりと動いたのがわかった。
浮かべていた笑顔が一瞬で消えて、中里さんは私の耳元に顔を寄せる。