クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


中里さんは一度も振り返らずに歩いていく。


私は少し距離を置き、その背中をただ黙ってついていった。


たどりついたのは、空き教室だった。


前にもこうやって中里さんと向かい合ったことがあったけど、今日は一段と機嫌が悪いらしい。


中里さんとはずっと一緒だったから、彼女の機嫌の変化には、自分でもびっくりするくらいすぐわかる。


「長ったらしく話すともっとイライラするから聞くけどさ、あんた私が前に言ったこと忘れたわけ?」


きっと、前に忠告されたときのことを言っているのだろう。


「…忘れてないです」


乾いた唇をぎゅっと噛む。



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