クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
しばらくぼんやりとしていた俺はベッドから身を起こすと、棚の引き出しを開けた。
そこに入っていた、大切なものを取り出す。
子どもが使うような、それも女子向けの絵柄が入ったハンカチ。
それと、丁寧に紙に包んだ、四つ葉のクローバー。
これを見ると、あの日の出来事が昨日のように浮かんでくる。
俺は目を閉じて、それを思い返す。
あれは、俺がまだ5年生の、ガキの頃。