クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません！！

「今後の参考になればなあ、と思って」


私は笑顔を返して、ハンバーグを口に放り込む。


と、綿谷くんが「それってさ…」と言葉を紡ぐ。


「今後も、俺に料理作ってくれるって言ってるように聞こえんだけど」


思わずハンバーグが喉に詰まりそうで、私は胸を軽く叩いた。


「そ、そういう意味じゃ…！またの機会があれば、っていうか…」



本当はそれだけじゃない。


…ただ…


「…その…綿谷くんとせっかく友達になれたから、綿谷くんのこと、少しずつ知っていきたいなと思いまして…」


もごもごと答える私に、綿谷くんは、ふっと笑った。