クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
そんな私は高校生になっても、毎日を地味にひっそりと過ごしていた。
親友の日向ちゃんがいて、大好きな読書ができればそれでいい、なんて思っている。
周りは高校生デビューに沸き立っているけど、私には全くもって別世界のことすぎて、ついていけない。
日向ちゃんには、「恋愛くらいした方がいいわよ!今が青春の真っ只中なんだから!」なんて言われちゃったけど、私は初恋だってまだだし…
男の子はどちらかといえば、苦手な方だから、普段自分から話しに行くことは滅多にない。
だから、出会いの機会なんて、あるはずもなかった。
「華子、今日1限目の授業、何の教科なの?」
「1限はね、原山先生のーーー」
"数学"、そう言おうとした時、教室の中心からガタン!と大きな音がした。