クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
その衝動にかられて、俺は華子の手を繋いだ。
驚いたように繋がれた手を見る華子に、思わず口元が緩む。
「あのっ、手が!」
「お前方向音痴だから、はぐれないようにしてるだけ」
「なっ!綿谷くんが一緒なのに、そんなはぐれません!」
むっとした表情を浮かべていた華子が、何かを思い出したように「あれ…」と声を漏らした。
「…どうした?」
「あ……昔のことを思い出して。私、小学生の時にお母さんの友達の家に遊びに行った先で、迷子になっちゃったことがあったなって」